《ドン・ジョヴァンニ》総重量25tにおよぶ巨大なセットはこうして作られる!

 《ドン・ジョヴァンニ》の舞台には2階建ての巨大な建物が設置されます。この建物は、上演途中で回転し、さまざまな場面をスピーディに現します。さまざまな場面をくるくると見せ、どこかだまし絵的でもあるこの建物を、演出家カスパー・ホルテンはドン・ジョヴァンニ自身を象徴するものと考えているようです。

 さて、重要な意味をもつこの巨大な建物、舞台装置を組み立てる、というより、もはや“建設する”という言葉の方が適しているような大掛かりな準備が必要です。
 ロンドンで進められた“建設”の模様をご紹介していきましょう。

 まずはじめに作られるのは、2階の天井部分。鉄骨フレームを組み、そこに木材が貼られていきます。この建物、すべて鉄骨フレームで組まれているため、なんと完成時の総重量は25tにもおよびます。鉄骨の土台に支えとなる壁が立てられた2階に、完成した天井を吊るしてドッキング。同様につくられた1階の上にこの2階を乗せるという順番です。 
 壁やドアの一つひとつも、かなりの重量になるため、2階には後から吊るしていれられる壁も。重量200kgの階段が吊るされていくところは動画でご紹介。
 ロンドンでは、4日間をかけて完成となりました。

まず最初に作られるのは 2 階の天井

まず最初に作られるのは 2 階の天井

2階天井の鉄骨フレームに木材が貼られていきます

2階天井の鉄骨フレームに木材が貼られていきます

天井を吊るして、2階のフロア部分にドッキング

天井を吊るして、2階のフロア部分にドッキング

1階部分、土台の鉄骨フレームの上に壁が立てられる

1階部分、土台の鉄骨フレームの上に壁が立てられる

1階の上に、2階部分を乗せる

1階の上に、2階部分を乗せる

2階に、ドアや残りの壁がつり上げられる

2階に、ドアや残りの壁がつり上げられる

天井も壁もドアも、すべて鉄骨入り、厚み20センチを越える

天井も壁もドアも、すべて鉄骨入り、厚み20センチを越える

建物全体を上演途中でスムースに回転させるのは、セットの一番土台に組まれた油圧式のフレーム

建物全体を上演途中でスムースに回転させるのは、セットの一番土台に組まれた油圧式のフレーム

■英国ロイヤル・オペラハウス《ドン・ジョヴァンニ》舞台設営

★英国ロイヤル・オペラ日本公演の第2次発売は6月20日(土)から。NBSチケットセンターイープラスのみでの取扱いです。

●NBSチケットセンター
http://roh2015.jp/schedule.html
●イープラス
http://eplus.jp/sys/web/s/royal/index.html

■英国ロイヤル・オペラ2015年来日公演《ドン・ジョヴァンニ》