アントニオ・ポーリ  スペシャル・インタビュー(3)

 田口道子さんによるアントニオ・ポーリのインタビューを紹介する3回目です。
 彼自身が何度も大きく影響されたと語るマエストロ・リッカルド・ムーティのこと、さらに大ベテラン、レオ・ヌッチへの敬意などを語ってくれました。日本のファンの皆さまへのメッセージも!


ーー過去のインタヴューで何度も、マエストロ・リッカルド・ムーティから多くを学んだとおっしゃっていますね。

 僕にとってマエストロ・ムーティは最も偉大な指揮者であるとともに指導者でもあるのです。なぜなら、まず第一にこの劇場にデビューさせてくれたことで、2011年でしたから僕にとっては大変難しい役だった《ナブッコ》のイズマエーレを歌わせてもらいました。次の年には《マクベス》のマクダフでも共演できました。マエストロ・ムーティの音楽稽古はまるで500回もの公演を経験するくらい価値のあるものでした。彼の長年の指揮者としての経験から身につけた計り知れないほどの知識を惜しみなく我々に教えてくれるのですから、本当に素晴らしい稽古なのです。普通、音楽稽古となると不安や緊張でいっぱいになるのですが、僕はマエストロの稽古が楽しくて他の人の稽古にまで参加していました。マエストロ・ムーティのように偉大な指揮者だと、音楽的な指示を与えるだけなのかと思っていたら、君の声とキャラクターだったらこう表現した方が良いかなというように一緒に勉強してくれるのです。あれだけの経験を持っていながら、更に新しいことを引き出そうとする音楽への向き合い方を学べたことは宝物のように大切な経験になりました。演奏は生き物だと感じます。この間パルマの《リゴレット》でレオ・ヌッチさんとご一緒したのですが、その時も凄いなと感じました。彼の年齢になったからできる彼のリゴレットを演じていたのです。今迄の彼のリゴレットとは違う。勉強を続けているんだなとつくづく感じました。


ーー今年はそのヌッチさんとご一緒にローマ歌劇場と来日されますが、あなたにとってローマ歌劇場とは?

 我が家でありファミリーです。2011年にデビューした歌劇場だし、マエストロ・ムーティ始め、偉大な指揮者や演出家と出会えた、僕に幸運をもたらしてくれた劇場です。僕はローマからすぐ近くのヴィテルボという町の生まれなので、ローマ歌劇場で歌うことを夢見て勉強していました。この劇場が益々発展して、素晴らしい公演を提供し続けてくれることを心から願っています。

ローマ歌劇場《椿姫》より
Photo:Yasuko Kageyama / TOR

ーー日本には何度もいらしていて、あなたの素晴らしい声に魅了されているファンがたくさんいます。日本の皆さんにメッセージをいただけますか?
 僕は日本では『王子さま』と呼ばれているのだそうですよ。これは良い意味ですよね? 良い意味なら嬉しい限りです。僕は日本の大ファンです。歴史や文化、それから国民性も心から尊敬しています。この数年、合気道の稽古をしていて、日本の哲学を学ぼうとしています。合気道は精神力を高めるために大いに役に立っています。
 日本の皆さんにお会いできることをとても楽しみにしています。ソフィア・コッポラ演出、ヴァレンティノ衣裳のプロダクションはきっと皆さんに喜んでいただけると確信しています。たくさんの皆さんに劇場にいらしていただけることを願っています。日本で会いましょう!
インタビュー・文:田口道子

*インタビューその1
*インタビューその2


★ローマ歌劇場によるライブ動画をご覧いただけます。
 第2幕第2場、アントニオ・ポーリの聴かせどころです!

Teatro dell'Opera di Romaさんの投稿 2018年3月4日日曜日


■公演情報
ローマ歌劇場2018年日本公演

《椿姫》
2018.
9月9日(日) 15:00 
9月12日(水) 15:00 
9月15日(土) 15:00 
9月17日(月・祝)15:00
東京文化会館

指揮: ヤデル・ビニャミーニ
演出: ソフィア・コッポラ
美術: ネイサン・クロウリー
衣裳: ヴァレンティノ・ガラヴァーニ
照明: ヴィニーチョ・チェーリ
ビデオ: イゴール・レンツェッティ、ロレンツォ・ブルーノ
振付: ステファン・ファヴォラン

■出演
ヴィオレッタ・ヴァレリー: フランチェスカ・ドット
フローラ・ベルヴォワ: アンナ・マラヴァーシ
アルフレード・ジェルモン: アントニオ・ポーリ
ジョルジョ・ジェルモン: アンブロージョ・マエストリ

ローマ歌劇場管弦楽団
ローマ歌劇場合唱団
ローマ歌劇場バレエ団

※表記の出演者は2018年5月31日現在の予定です。病気や怪我などのやむを得ない事情により出演者が変更になる場合があります。その場合、指揮者、主役の歌手であっても代役を立てて上演することになっておりますので、あらかじめご了承ください。

■料金(税込)
S席¥54,000 A席¥47,000 B席¥40,000 C席¥33,000
D席¥26,000 E席¥19,000 F席¥12,000
学生券¥8,000
*学生券はNBS WEBチケットのみで2018.8/3(金)18:00より受付開始。

http://www.nbs.or.jp/stages/2018/roma/