【動画】キアラ・ムーティ「オペラ演出はまず音楽から」

Photo:SilviaLelli / TOR

 《マノン・レスコー》の演出家キアラ・ムーティは、自身が女優として、また音楽を表現する者としての活躍を経てオペラ演出を手掛けるようになりました。著名な指揮者であるリッカルド・ムーティを父にもつことから、幼いころからの環境や影響も多くあったことでしょう。それらを糧として舞台に向き合う現在があります。オペラを演出するに当たって何をポイントにするかを語ってくれた彼女自身の言葉と、日本の皆さまへのメッセージビデオをご紹介します。

 まずは音楽からですね。私が育った環境もありますけれど、オペラ作品はやはり音楽を重視するべきだと思います。作曲者が何を求めているのか、その音楽をどのように表現したらよいのかを考えます。そのためにはまず音楽を良く知らなければならないと思います。演出家の中には音楽を無視して、楽譜も見ずに歌手に演技をつける人もいますけれど、どうやって音楽の知識なしに演出できるのか不思議でなりません。動きと音楽が合わなくてもお構いなしでは良い上演はできません。私は音楽を第一に考えます。それからもちろん原作の時代的な背景や登場人物の勉強をします。原作者や作曲家に関しても調べます。そのために関係する本を読むことで多方面にわたって知識を得るようにしています。登場人物の役柄や性格などをどのように設定したらよいかという課題は自分が女優であることが大いに役立っています。人物描写は演劇の演出と同じようにして創り出していきます。登場人物同士の関係も大変重要視します。
取材・文:田口道子

Photo: SilviaLelli / TOR

【公演情報】
ローマ歌劇場2018年日本公演
《マノン・レスコー》
9月16日(日) 15:00 神奈川県民ホール
9月20日(木) 15:00 東京文化会館
9月22日(土) 15:00 東京文化会館

指揮: ドナート・レンツェッティ
演出: キアラ・ムーティ
美術: カルロ・チェントラヴィーニャ
衣裳: アレッサンドロ・ライ
照明: ヴィンセント・ロングエマーレ

■出演
マノン:クリスティーネ・オポライス
デ・グリュー:グレゴリー・クンデ
レスコー:アレッサンドロ・ルオンゴ

ローマ歌劇場管弦楽団
ローマ歌劇場合唱団

*※表記の出演者は2018年1月15日現在の予定です。病気や怪我などのやむを得ない事情により出演者が変更になる場合があります。その場合、指揮者、主役の歌手であっても代役を立てて上演することになっておりますので、あらかじめご了承ください。

■料金(税込)
S席¥54,000 A席¥47,000 B席¥40,000 C席¥33,000
D席¥26,000 E席¥19,000 F席¥12,000
学生券¥8,000
*学生券はNBS WEBチケットのみで2018.8/3(金)18:00より受付開始。

http://www.nbs.or.jp/stages/2018/roma/