《タンホイザー》ゲネプロ

 9月18日、NHKホールにて《タンホイザー》のゲネプロ(最終舞台稽古)が行われました。
 前日の記者会見で、自身の信条を尋ねられたマエストロ・ペトレンコは、「できる限りリハーサルをすること」と答え、歌手たちも、マエストロのリハーサルは学ぶことの多い、何一つ無駄の無いものであると語りましたが、今日のゲネプロはまさに、それを証明するようでした。

記者会見より
Photo:M.Terashi/TokyoMDE

 ピットの指揮台に立ったペトレンコは、まずオーケストラのメンバーに語り始めます。もちろん、これからの演奏についての内容です。重要なポイントを確認するように、序曲を始める前に第1幕の一部分を演奏、それから静かに序曲が始められました。

C)Wilfried Hösl

 途中で演奏を止めて、指示が出されることは、ソリストに対しても、合唱に対しても同様に、どの幕でも行われていきました。特に合唱の場合、マエストロの一言によって、驚くほど響きが素晴らしく変化していくことは、誰の耳にも感じとられるものでした。
 また、止めたところから戻ってやり直す場合には、舞台装置を戻す必要も生じることがあり、その間にはオーケストラに対しての指示と部分的な演奏が行われていました。
 休憩を挟んでの約7時間におよぶゲネプロとなりましたが、出演者の誰もが、充実した時間を終え、最高の上演での開幕公演に自信を得たように、笑顔で会場を後にしました。

バッカナーレより
Photo:NBS / Kiyonori Hasegawa

第2幕より クラウス・フロリアン・フォークト(左)、アンネッテ・ダッシュ
Photo:NBS / Kiyonori Hasegawa

第2幕より マティアス・ゲルネ(左)、アンネッテ・ダッシュ
Photo:NBS / Kiyonori Hasegawa

第3幕より クラウス・フロリアン・フォークト(左)、マティアス・ゲルネ
Photo:NBS / Kiyonori Hasegawa

【公演日程】
バイエルン国立歌劇場日本公演

《タンホイザー》
作曲:R.ワーグナー
演出:ロメオ・カステルッチ
指揮:キリル・ペトレンコ
9月21日(木) 3:00p.m.
9月25日(月) 3:00p.m.
9月28日(木) 3:00p.m.
会場:NHKホール

■予定される主な出演
領主ヘルマン:ゲオルク・ゼッペンフェルト
タンホイザー:クラウス・フロリアン・フォークト
ウォルフラム:マティアス・ゲルネ
エリーザベト:アンネッテ・ダッシュ
ヴェーヌス:エレーナ・パンクラトヴァ

※表記の出演者は2017年1月20日現在の予定です。
http://www.bayerische2017.jp/tannhauser/