こんなところにもプロジェクションマッピング!

 11月6日の初日を控えた《ワルキューレ》、スタッフたちが最も時間を費やし、念入りに準備を進めているのがプロジェクションマッピングのセッティングです。
 迫力満点、壮大な炎に包まれるフィナーレの場面には大掛かりなプロジェクターでの投影が用いられます。感動的な、まさに圧巻の幕切れをもたらす演出です。オペラの舞台にプロジェクター投影が用いられること自体は、現在ではそれほど珍しいことではなくなりました。しかし、劇場が変われば、セッティングは全く異なってきます。ウィーン国立歌劇場のスタッフも、今回の日本公演のために、すでに2月に一度来日し、東京文化会館で簡易のセットを組み上げ、チェックを行っていました。こうした準備を経て、現在、本番の舞台美術を入れてのセッティングが行われているのです。

【動画】2月に行われたプロジェクションマッピング チェックの模様

 つい、舞台を包み込む大掛かりな炎にばかり目が向きがちですが、実はこの《ワルキューレ》では、舞台美術の馬にも、プロジェクションマッピングの技術が用いられています。通常なら、照明用のスポットライトが使われるところかもしれませんが、ここでは細かい設定によるプロジェクションマッピングによって、微妙な陰影が生み出されるのです。

装置の馬へのプロジェクション・マッピングには、微妙な調整が繰り返し行われます

装置の馬へのプロジェクション・マッピングには、微妙な調整が繰り返し行われます

 大道具の建て込みが終わってから、照明のセッティングと調整に、連日多くの時間が費やされています。大きな舞台のなかでの数センチ単位での調整を繰り返す様子には、スタッフのプロフェッショナルな姿勢が感じられます。多くのスタッフたちが、昼夜にわたって力を尽くすことが、最高の上演を導くことに!

フィナーレの炎のプロジェクションをチェック中

フィナーレの炎のプロジェクションをチェック中

【動画】装置を置いて最初のプロジェクション投影チェックの模様
この後も連日、念入りな調整が行われています。


R.ワーグナー作曲
《ワルキューレ》
指揮:アダム・フィッシャー
演出:スヴェン=エリック・ベヒトルフ
11月 6日(日) 3:00p.m.
11月 9日(水) 3:00p.m.
11月12日(土) 3:00p.m.
会場:東京文化会館

■予定される主な出演
ジークムント:クリストファー・ヴェントリス
ジークリンデ:ペトラ・ラング
ブリュンヒルデ:ニーナ・シュテンメ
ヴォータン:トマス・コニエチュニー
フリッカ:ミヒャエラ・シュースター
*表記のキャストは2016年4月8日現在の予定です。

■入場料(税込)
S=¥67,000 A=¥61,000 B=¥54,000 C=¥49,000 D=¥33,000 E=¥25,000 F=¥17,000
エコノミー券=¥13,000 学生券=¥8,000

ウィーン国立歌劇場2016年日本公演公式HP
http://www.wien2016.jp/