マレク・ヤノフスキ インタビュー(2)

写真提供:東京・春・音楽祭実行委員会 撮影:堀田力丸

写真提供:東京・春・音楽祭実行委員会
撮影:堀田力丸

《ナクソス島のアリアドネ》はグルメのための音楽

 何よりも音楽を大切にするヤノフスキ。
「ドイツの伝統を受け継ぐ指揮者と言われることは光栄に思っています。ただ、これはドイツのオーケストラでなければできない、ということではありません。はっきりとした自分の音、イメージを持って、それをオーケストラから引き出すということが重要なのです。《ナクソス島のアリアドネ》なら、R.シュトラウスが奇跡のオーケストレーションによって書いた室内楽のような緊密なオーケストラの音楽を、存分に引き出すことが必要です。《ナクソス島のアリアドネ》は、グルメのための音楽といえるのですから」

Photo:Wiener Staatsoper_Michael Poehn

Photo:Wiener Staatsoper_Michael Poehn


オペラには演奏会形式でできるものと、舞台が必要なものがある

「歌劇場から離れてからも、演奏会形式でオペラを振ってきました。今でも、ヨーロッパでは演出の問題を考えると、演奏会形式の方が良いと思っています。特に、ワーグナー作品の場合には、音楽の中にシーンがある。それを純粋に描くことができるからです。でも、どんな作品でもそうではありません。たとえば、《ナクソス島のアリアドネ》は、演奏会形式では意味がないのです。《フィガロの結婚》や《コシ・ファン・トゥッテ》も舞台が必要です。《イドメネオ》や《魔笛》、《フィデリオ》は演奏会形式がいい、《魔弾の射手》は・・・。うーん、どちらかわからないですね(笑)」

 いまは久々にオーケストラ・ピットに入ることについて、とても楽しみにしているとのこと。私たち聴衆も期待が膨らみます。

《ナクソス島のアリアドネ》ハイライト映像はこちらから

《ナクソス島のアリアドネ》
作曲:R.シュトラウス
演出:スヴェン=エリック・ベヒトルフ
指揮:マレク・ヤノフスキ

■公演日程
10月25日(火) 7:00p.m.
10月28日(金) 3:00p.m.
10月30日(日) 3:00p.m.
会場:東京文化会館

■予定される主な出演
プリマドンナ/アリアドネ:グン=ブリット・バークミン
ツェルビネッタ:ダニエラ・ファリー
作曲家:ヴェッセリーナ・カサロヴァ
テノール:バッカス:ヨハン・ボータ

*表記のキャストは2016年4月8日現在の予定です。

■入場料(税込)
S=¥63,000 A=¥58,000 B=¥53,000 C=¥48,000 D=¥32,000 E=¥25,000 F=¥17,000
エコノミー券=¥13,000 学生券=¥8,000

●全公演のS〜D券
6月4日(土) 10:00より一斉発売開始
NBSチケットセンター:03-3791-8888

ウィーン国立歌劇場2016年日本公演公式HP
http://www.wien2016.jp/