《メリー・ウィドウ》だから愛された?!

 オペラやオペレッタの作品名が日本語に訳されるのは珍しくありません。Die Fleder mouseは《こうもり》、Die Csárdásfürstinaは《チャルダーシュの女王》というように。でも、《メリー・ウィドウ》のオリジナルのドイツ語Die Lustige Witweは、日本語で訳すなら“陽気な未亡人”。《メリー・ウィドウ》は英語訳The Merry Widowがそのまま通り名となっています。今となっては推測するしかありませんが、“陽気な未亡人”というタイトルでは、今日のように愛着を持たれていたかどうか・・?
 1905年にウィーンでの初演が大人気を得たこのオペレッタは、まずドイツ国内に広がり、その後もヨーロッパ各地、2年後にはアメリカに上陸。ニューヨーク、シカゴを皮切りに約1年間で全米で5000回の上演が記録されたとのこと。また、アメリカで次々に映画として製作されたことも、”メリー・ウィドウ”を定着させることに大きく影響したといえるでしょう。ちなみに、最初の映画化はオーストリア生まれでハリウッドで活躍したエリッヒ・フォン・シュトロハイム(1925年)、その後エルンスト・ルビッチ(1934年)が手がけました。ルビッチの方はミュージカル映画ですが、音楽の魅力や美しさを活かした名作として、いまもDVDなどで観ることができます。映画といえば、《メリー・ウィドウ》のメロディーは、美を探究する映画監督ルキノ・ヴィスコンティの“目”にもとまったようです。「ベニスに死す」の冒頭では、主人公の作曲家がホテルで美少年を最初に見たそのとき、楽団は「メリー・ウィドウ・ワルツ」を奏し始め、それに「ヴィリアの歌」のメロディーが続いて聞こえてきます。
 オペレッタのなかには、同じメロディーが繰り返し用いられることも少なくありませんが、《メリー・ウィドウ》では、魅力的なメロディーが次々に繰り出されます。この作品が愛される理由は、やっぱりそれが一番!

ハンナが歌う「ヴィリアの歌」は、森の精ヴィリアに恋する若い狩人の物語。 自分がヴィリアでダニロが狩人であって欲しいと願う気持ちが込められている。 Photo:Dimo Dimov/Barbara Pálffy/Volksoper Wien

ハンナが歌う「ヴィリアの歌」は、森の精ヴィリアに恋する若い狩人の物語。
自分がヴィリアでダニロが狩人であって欲しいと願う気持ちが込められている。
Photo:Dimo Dimov/Barbara Pálffy/Volksoper Wien

動画は〈ヴィリアの歌〉から抜粋です。 

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