東博でバッハ vol.38 工藤すみれ(チェロ)

C)Neda Navaee

 現在ニューヨークを拠点に活躍中のチェリスト工藤すみれは、子供のための音楽教室から大学までを桐朋学園で過ごした後、ジュリアード音楽院を卒業、アヴァロン弦楽四重奏団のチェロ奏者を経て、2006年6月からは名門ニューヨーク・フィルハーモニックのメンバー。名指揮者にして名作曲家でもあるエサ=ペッカ・サロネンの新作初演も務めるなど、現代音楽の分野でも評価が高い。
 7年ぶりとなる東京春祭での工藤のリサイタルは、「東博でバッハ」シリーズでの無伴奏プログラム。柱となるJ.S.バッハ無伴奏チェロ組曲からは第1番・第2番・第5番を。短調の2曲を含む重量級の名品3曲だけでも聴きごたえ十分だが、その間に黛敏郎「文楽」とサロネン「YTA Ⅲ」が取り上げられるのは見逃せない。現代チェロ作品の名作となっている「文楽」はもちろん、作曲者の信頼厚い工藤による「YTA Ⅲ」はかなり貴重な実演となる。いずれもチェロ表現の限界を要求する超絶技巧ながら、その世界観は対照的。世界最先端の環境でたしかな活躍を重ねる工藤の演奏で、濃密かつ刺激的な公演となる。

ミュージアム・コンサート
東博でバッハ vol.38 工藤すみれ(チェロ)

2018.03/22(木)19:00 
東京国立博物館 法隆寺宝物館エントランスホール

●出演
チェロ:工藤すみれ

●曲目
J.S.バッハ:
 無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007
 無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 BWV1008
黛 敏郎:文楽
エサ=ペッカ・サロネン:YTA Ⅲ
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調 BWV1011

●チケット(税込)
全席自由 ¥3,600