街歩き2016●コース7 上野〜湯島 夜編


上野公園の階段を下って忍池へ。弁天堂の美しいライトアップを見ながら、素敵な夕食を食べに夜の湯島へ繰り出そう。

①鰻割烹 伊豆榮 本店

上野界隈で鰻と言えば、やはりこちら。江戸中期の創業で、約280年の歴史を誇る鰻割烹「伊豆榮 本店」だ。江戸末期に浮世絵や錦絵に描かれたり、鰻好きとして有名な昭和天皇が召し上がったりと、輝かしい歴史やエピソードでも知られている。名物の蒲焼は、この道30年の職人が丹念に焼き上げたもの。タレは砂糖を一切使用せずに、醤油と味醂だけで作ったさっぱりとした仕上がりだ。また、和歌山に自前の備長炭の窯を持っており、鰻を焼くのは備長炭を使用するといった、連綿と受け継がれるこだわりに頭が下がる。


鰻割烹 伊豆榮 本店(うなぎかっぽう いずえい ほんてん)
台東区上野2-12-22
TEL 03-3831-0954
営業時間:11:00~22:00
休業日:無休
HP http://www.izuei.co.jp

 

②鮨 一心

食の街・湯島にあって、江戸っ子の舌を唸らせ続けてきた「鮨 一心」。重厚な扉を開けた眼の前に広がる明るく上品な空間。真っすぐ伸びた白木のカウンターは、これぞ寿司屋という佇まいだ。旬のネタを厳選し、一つひとつ丁寧な仕事を施した、昔ながらの本格的な江戸前寿司。赤酢と塩のみで作ったシャリが、ひと手間かけたネタの旨味を存分に引き出している。


鮨 一心(すし いっしん)
文京区湯島3丁目43-12 HSビル1F
TEL 03-3835-4922
営業時間:17:00~2:00
休業日:日・祝日・不定休(GW、盆時期、12月31日~1月4日)

 

③鳥つね 湯島天神前店

湯島天神の門前町に居を構える「鳥つね 湯島天神前店」は、1912年創業。鳥料理一筋に100余年もこだわり続けてきた名店だ。独自のルートで仕入れた比内地鶏や奥久慈シャモを使用したすき焼き、スープ炊きなど、様々な料理を提供している。だが、この店の名物は何と言っても「親子丼」。新鮮な大山鶏を、コクのある卵2個で贅沢にとじてある。絶妙な火の通り具合なので、食感は理想的なふわとろだ。店に代々伝わるという、「鳥つねの親子丼は汁で食う」の言葉にも、しみじみ納得。これぞ究極の卵かけご飯と言えるのではないだろうか。

鳥つね 湯島天神前店
文京区湯島3-29-3 湯島白梅ハイツ1F
TEL 03-3831-2380
営業時間
ランチ:月~土 11:30~13:30、日・祝日11:00~14:30
ディナー:月~土 17:00~21:45、日・祝日16:00~21:00
休業日:無休

 

④湯島ワイン食堂 パパン

「年に1度行きたい店ではなく、週に1度行きたくなる店を」。若きオーナーソムリエ・堀部敏郎さんが、そんな願いを込めて2011年に湯島のグルメ激戦区でオープンした「湯島ワイン食堂 パパン」。店内には堀部さんらソムリエが常勤し、厳選された世界各国のワインが約130種以上並ぶ(日替わりのグラスワインも16種以上)。また、料理の方も「ワインを片手にカジュアルに」をモットーとした「日本人の舌に合うフレンチ」を日替わりで多数用意。メニューがすべて黒板に手書の演出も、食欲と好奇心をかきたてる。一押しは、「ブーダンブラン(自家製白ソーセージ)」、「トリップ ア・ラ・ニソワーズ」、「焼き立てキッシュ」、そして種類豊富なテリーヌなど。いずれもボリューム感たっぷりだが、味わいは洗練されている。そして、この店が何よりありがたいのが、これら魅力的なメニューを驚くべき低価格で、しかも平日は深夜3時まで存分に味わえること。なるほど、確かに週に1度は行きたくなってしまう気鋭の名店だ。


湯島ワイン食堂 パパン(ゆしまわいんしょくどう ぱぱん)
文京区湯島3-35-5 橋本ビル1F
TEL 03-5812-4933
営業時間:月~金18:00~3:00、土 17:00~23:00
休業日:日・祝日
HP http://www.yushima-shiraume.jp/shop/post_873