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東京春祭ワーグナー・シリ  《タンホイザー》  東京春祭のStravinsky vol.1インバル&都響の《ス 2011年に開館50周年を迎えた、日本のクラシック音楽における殿堂であり、上野のシンボル的な存在。数多くの音楽家たちやオペラ&バレエ・カンパニーなどを迎えたその歴史は、このホールに崇高な趣を与えている。大小ホールともに天井が高い空間は、ステージで生まれる音楽を生き生きと伝える。 台東区上野公園5-45 ☎ 03-3828-2111MAP ADATA東京文化会館超強力キャストがそろった《タンホイザー》 ワーグナーのオペラを演奏会形式(映像付)で上演する「東京春祭ワーグナー・シリーズ」は、この音楽祭最大の聴きものの一つ。今年は《タンホイザー》が取り上げられる。中世ドイツの伝説を題材に、愛欲の女神ヴェーヌスの虜となった騎士タンホイザーの罪がエリーザベトの純愛と死によって償われるという物語。ワーグナー作品としては比較的明快で伝統的な書法で書かれており、有名な序曲や入場行進曲「歌の殿堂をたたえよう」「夕星の歌」など、聴きどころも多い。 指揮はアダム・フィッシャー。バイロイト音楽祭でも実績豊富な実力者が、この公演で来日してくれるのはなによりの朗報だ。オペラを知り尽くした名匠が、NHK交響楽団からどんな響きを引き出してくれるのか、期待は大きい。タンホイザー役のステファン・グールドは現代を代表するヘルデン(英雄的)・テノール。同役ではバイロイト音楽祭をはじめ各地で大きな成功を収めている。輝かしく強靭な歌唱を聴かせてくれることだろう。エリーザベト役のペトラ=マリア・シュニッツァー、ヴェーヌス役のエリーザベト・クールマンら、歌手陣は万全。(I)ストラヴィンスキーの万華鏡サウンドを堪能 マーラー、R.シュトラウス、ラヴェルなど、多彩な楽器と音色が集まるスコアを鮮烈な音楽として描き出すインバル。アイデアに満ちたオーケストレーション(楽器総動員!)によって、およそ100年前にセンセーションを巻き起こした2つのバレエ音楽は、このマエストロと都響が得意とする作品だ。万華鏡のように変化する拍子や転調が不思議なウィットをもたらす《ペトルーシュカ》。哀愁のあるロシア民謡風のメロディなどが心にしみる、音楽物語風の《火の鳥》。音楽の魔法にかかる一夜を楽しみたい。(O)45484 7土19:00大ホール木17:00大ホール日15:00大ホール42

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