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東洋の美が集められた博物館でバッハを聴く田崎悦子松原勝也高木和弘窪田 椋吉田 秀 上野という土地ならではの楽しみが、ミュージアムで聴くコンサート。東京国立博物館では「東博でバッハ」として、5つの公演が開かれる。東京国立博物館は日本を中心に広く東洋の文化財を収集・展示する総合博物館。そこで西洋音楽最大の作曲家のひとりバッハの音楽を聴くという組合せの妙を味わいたい。使用される会場は平成館ラウンジ(250席)と法隆寺宝物館エントランスホール(120席)の二ヶ所で、いずれもバッハを聴くにふさわしい親密な空間だ。通常の演奏会ではなかなかできないぜいたくな体験となるだろう。 3月16日は田崎悦子のピアノによるパルティータ他。バッハに定評のある実績豊富な名手が、鍵盤楽器のために書かれた傑作組曲を奏でる。晴朗で快活なパルティータ第4番と劇的緊張感にあふれたパルティータ第6番という好対照をなすプログラムだ。 3月17日は弦楽五重奏によるゴルトベルク変奏曲という興味深い演目が用意されている。ゴルトベルク変奏曲といえば、本来鍵盤楽器のために書かれた変奏曲史上屈指の名作。これを第1ヴァイオリンを務める松原勝也が弦楽五重奏のために編曲している。果たしてどんなバッハが実現するのか。作品の新たな魅力を発見することになりそうだ。 3月27日は東京交響楽団でコンサートマスターを務める気鋭、高木和弘が登場、無伴奏ヴァイオリンのために書かれた作品を演奏する。有名な「シャコンヌ」を含むパルティータ第2番他のバッハ作品に加えて、バッハに触発されたイザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第6番も挿まれ、「無伴奏」の奥深さ、多彩さが表現される。 3月28日はチェンバロの中野振一郎が出演。チェンバロの繊細な響きにふさわしい空間がオーセンティックなバッハを満喫させてくれるにちがいない。イギリス組曲第2番などの有名曲とともに、隠れた秀作、組曲イ短調BWV818aが取り上げられるのも楽しみ。 4月3日は日本を代表するギタリスト、福田進一が自身の編曲によるバッハを聴かせる。無伴奏チェロ組曲第5番および第6番を原曲とした2つの組曲では、チェロ独奏とは一味異なる独自の音楽世界へと誘ってくれることだろう。リュート原曲の「プレリュード、フーガ、アレグロ」も田園風の安らかさを湛えた魅力的な作品だ。(I)©Naomi Kawakami福田進一中野振一郎©稲見伸介小関 郁伊藤 慧35上野で 上野で 聴聴く!く!
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