harusai2012ebravo
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多彩な演奏者と音楽で、午後のひとときを楽しむ博物館コンサート 文化エリアの上野で行われる東京春祭ならではの企画、ミュージアム・コンサート。大きなクジラのオブジェが迎えてくれる国立科学博物館でのコンサートは、洋館を思わせる落ち着いた内装の日本館講堂で行われる。少しずつ春へと近づいている3月から4月の午後、ゆっくりとした時間の流れを感じながら過ごせるだろう。 出演するアーティストと曲目は実に多彩だ。3月18日の戸田弥生のリサイタルは、ベートーヴェンやラヴェルなどの曲で、このヴァイオリンという楽器の二大チャームポイント「歌とヴィルトゥオジティ」を堪能できる。ますます音楽の深みが増している彼女の「今」を知るチャンスだ。3月20日に行われる、官能的で独特の音色をもつオンド・マルトノの世界的プレイヤー・原田節のコンサートは、マリンバの共演という新鮮なスタイル。不思議な形をしたこの楽器を、間近でつぶさに見聞するチャンスだろう。3月22日はイギリスの民謡や古楽を歌い上げる波多野睦美&つのだたかしのデュオ。英語の美しさとしなやかなメロディを味わいながら、ティータイムを楽しむような午後のひとときを楽しめる。 3月25日の新村理々愛のフルート・リサイタルは、小学生のときからコンサート・キャリアを築き、近年は国際コンクールで優勝するなど、確実に音楽を育ててきた彼女の実力を知るプログラム。ベテラン・ハーピストの山崎祐介と共に、バロックから20世紀にいたるフルートの名曲を披露してくれる。フランスの名器「エラール」(1845年製)のピアノを弾く久元祐子のコンサートは(3月28日)、ベートーヴェンやショパンなどによる超名作が並ぶリサイタル。シックな音色と柔らかな音のタッチが、聴き慣れたはずの曲に違った光を当ててくれるだろう。そしてNHK交響楽団の楽員による4月7日の弦楽四重奏団がベートーヴェンの3作を演奏するコンサートは、クラシックの王道と言うべき重厚なプログラム。ホンモノの音楽に圧倒されたい!と思う方には迷わずお薦めしたい。(O)2008年に重要文化財となった日本館は、その美しい内装にも注目してほしい。柔らかな曲線の色鮮やかなステンドグラスは、建築家・伊東忠太がデザインし、ステンドグラス作家・小川三知のスタジオが制作した。写真は中央ホールドーム。日本館のステンドグラス+α information久元祐子飛澤浩人山口裕之宇根京子藤村俊介戸田弥生原田 節波多野睦美つのだたかし新村理々愛©Yuriko Takagi©Yuriko Takagi©松嶋 惇©松嶋 惇©Akira Kinoshita33上野で 上野で 聴聴く!く!

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