harusai2012ebravo
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ヌスのところにいるんですね?Kうん、そのまま動かない。Aそれじゃあ劇にならないですよ(笑)。ところで歌い手は誰に注目しますか?Kやっぱりタンホイザー役のステファン・グールドですね。I僕も彼に一票!Aほかにも、ペトラ=マリア・シュニッツァーなどヨーロッパの歌手が多く出演するので,期待大です。Iまた指揮のアダム・フィッシャーも本当に楽しみにしています。ヨーロッパでこれだけ実力を認められている指揮者にもかかわらず、今まで日本ではしっかりと聴くチャンスが少なかったんですよね。おそらくN響の皆さんも、彼と共演するのはすごく楽しみなんじゃないかなと思います。A今回の演奏会形式というのは音が非常によく聴こえる形。舞台上にオーケストラがのるので音像がはっきりしやすく、音楽のよさが引き立つ可能性が高い。このことも、奇妙きてれつなアイディア勝負の演出ではなくて本物のワーグナーをやっていこうとする、東京春祭の意図を感じさせますね。Iええ。まさに、2010年の《パルジファル》もそういう結果になっていましたよね。今回は、今までワーグナーのオペラにあまり足を運んだことのない人にとっても、絶好のチャンスだと思うんです。例えば同じワーグナーにしても《トリスタンとイゾルデ》を聴く時は、聴く側が自分でいろいろと補ってあげないとわからない部分がいっぱいあるんですよ。でも《タンホイザー》はちゃんとした起承転結のある物語なので、非常にわかりやすいんです。とにかく最初はエロスの場面(笑)で始まるっていうことさえ理解していれば、後は自然と物語が導いてくれますからね。しかもそれを今回は演奏会形式でやるし、後ろで上映する映像も抽象的なものではなく、ワーグナー自身のト書きに沿った非常にストレートなものだそうですから。Aワーグナーのオペラといってもこわくはない!Iそうそう、いい意味ですごく敷居が低い感じがしますね。A序曲など独立して演奏される機会の多い、聴き応えのある曲も揃っていますし。Kそういう意味で言ったら、この《タンホイザー》公演は音楽を聴くためにもすごくいいですよね。A演劇と音楽の融合の仕方が、ロマンチックによく「熟れている」という感じがします。Iワーグナー音楽の麻薬的なところは、普段はワーグナーを聴いていない人も、聴いている時には“この世にこんなすごい音楽があるのか”っていう気持ちになっちゃうところだと思うんです。僕はワーグナーのオペラを聴いている時は、ワーグナー最高っていう気になるんですよ。この公演でワーグナーに魅了される人が続出するかもしれません(笑)。インバル&都響のマッチングは期待大Iそして、もう一つの大きな目玉。東京春祭の新しいシリーズは、インバル&都響の《ストラヴィンスキー》(2)です。2013年には、ちょうど初演から100年目にあたる《春の祭典》のバアダム・フィッシャー©Lukas Beckステファン・グールド©Peter Rigaudペトラ=マリア・シュニッツァー©Elisabeth Novy25上野で 上野で 聴聴く!く!
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