©Sander Stuart©Shigeto ImuraInterview6610/29(水)19:00 渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール問 テレビマンユニオン03-6418-8617 https://www.tvumd.com※東京(武蔵野)、新潟、兵庫、愛知、神奈川公演あり。第43回 横浜市招待国際ピアノ演奏会11/16(日)15:00 横浜みなとみらいホール問 横浜みなとみらいホールチケットセンター045-682-2000https://yokohama-minatomiraihall.jp取材・文:飯田有抄文:林 昌英 ヴィジョン弦楽四重奏団が帰ってくる! 2012年結成、16年ジュネーヴ国際音楽コンクール第1位。その後はオンリーワンのパフォーマンスで、世界中に衝撃を巻き起こしてきた。来日は19年と22年で、待望の再来日となる。 チェロ以外は立奏、完全暗譜で臨む4人。強調したいのは、団として世界屈指レベルの上手さと、愉悦感あふれる演奏。クラシック演目は統一感のある澄んだ音色、完璧なバランス、その上で個々人の卓越した技量で聴衆を魅了してしまう。今回東京公演で聴かせるのは、近年人気の高いグリーグの四重奏曲。旋律美と熱気に満ちた名品で、 今年で開始から43年を迎える「横浜市招待国際ピアノ演奏会」は、「国際」と掲げる通り、世界各国の優れた若手ピアニストたちを招聘するコンサートで、これまでに200名近くの才能を紹介してきた。近年日本から選ばれた奏者には藤田真央、小林愛実、務川慧悟、三浦謙司らがいる。今年は9年ぶりに、横浜みなとみらいホールの「大ホール」での開催となる。ステージに立つのは、タイのサン・ジッタカーン、フランスのジャン=ポール・ガスパリアン、ドイツのヨナス・アウミラー、そして日本/フランスの田所光之マルセルである。田所は日本人の父とフランス人の母のもとに生まれ、名古屋とパリで学んできた。知られざるロシアの作曲家ヘンゼルトの練習曲集のアルバムや、多様なエチュードを取り上げたリサイタルで注目を集めている。 「横浜みなとみらいホールは、全日本学生音楽コンクール本選の審査会場でしたから、気合いを入れて臨んだ思い出のホールです。また、初めてヘンゼルト作品を弾いたのは横浜のフィリアホールでした。ご縁を感じる街ですね。 今回ご一緒する同世代のピアニストたちは、互いに国際コンクールで名前や配信動画を見たり、SNSで繋がった決定的な快演が堪能できそうだ。 ジャンルを問わない彼らの特長が集約されるのは、21年のオリジナル曲アルバム『スペクトラム』。22年に続き、東京でこれが取り上げられる。前回は4人それぞれが超人的なソロを弾きまくり、PAに視覚効果も含めたステージで、室内楽の枠を超えたライブ感を生み出していた。彼らのこと、3年経った今回、さらに痛快な舞台になるに違いない。りしています。実際に会って切磋琢磨できる機会となりそうですね。ドイツのヨナスとは、コンクールの際にはお互いに『がんばって!』とメッセージを送り合う仲です。今回は、毎年恒例のアンコールでの連弾を彼とやることになりました。 意見交換をしながら様々な発見ができそうで楽しみです」 田所がこの日のために組んだプログラムは、リストの作品集である。 「僕は今、エチュードにとても興味があり、中でもリストの練習曲集は憧れの存在です。日本語で『超絶技巧練習曲』と訳される曲集《Études d’exécution transcendante》は、“卓越性をもった再現性の練習曲”といった意味で、決して技巧性を強調する曲集ではなく、音楽 的・哲 学 的な内 容です。 全12曲で構成されますが、今回は5曲を演奏します。 おそらくリストは曲の並びを重視したと思うので、第3番『風景』、第4番『マゼッパ』をつなげ、第7番『エロイカ』と第8番『荒野の狩』を並べます。そして最終曲の第12番『雪かき』も取り上げます。この5曲とともに『愛の夢』第1番を弾きますが、曲順は印象に大きく影響するので、どこに配置するか工夫したいと思っています」 田所が愛するエチュードたち、そして海外からの俊英3名による輝かしい演奏を、横浜みなとみらいホールの響きと共に堪能したい。ヴィジョン弦楽四重奏団 2025年日本ツアー暗譜に立奏……オンリーワンのスタイルで旋風を巻き起こす!田所光之マルセル(ピアノ)世界の俊英が横浜に集う、年に一度の祭典
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