鈴木愛美 ©井村重人ヴィクトリア・ムローヴァ ©Benjamin Ealovegaダレル・アンダンカン・ウォード ©Holger Talinski ムン・ボハ11/16(日)14:00 すみだトリフォニーホール問 新日本フィルチケットボックス03-5610-3815 https://www.njp.or.jp第145回 定期演奏会11/21(金) 19:00、11/22(土)14:00 東京オペラシティ コンサートホール9/19(金)発売問 紀尾井ホールウェブチケット webticket@kioi-hall.or.jp https://kioihall.jp52新日本フィルハーモニー交響楽団“新しい風”スペシャル・コンサート〜チャリティーコンサート〜ダンカン・ウォード(指揮) 紀尾井ホール室内管弦楽団注目の新鋭と孤高のヴァイオリニストがKCOデビュー文:飯田有抄文:山崎浩太郎 新日本フィルハーモニー交響楽団が、将来を期待される若きソリストたちを迎える「新しい風」シリーズが、2曲の協奏曲によるスペシャル・コンサートとして11月に開催される。 ピアノ協奏曲を披露するのは、2024年の第12回浜松国際ピアノコンクールで日本人初優勝、そして聴衆賞・室内楽賞も併せて受賞という快挙を遂げた鈴木愛美である。鈴木はコンクールの最終ラウンドである本選で、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番を演奏した。まさに彼女の勝利を決定づけたその作品を、今度はすみだトリフォニーホールの空間で響かせる。コンクールでの感動を生演奏で味わうことのできる、格別な機会となるだろう。 ヴァイオリン協奏曲では、今年5 ~6月に開催された第9回仙台国際音楽コンクールのヴァイオリン部門最高位(第2位)のムン・ボハが登場する。 彼女は2006年韓国生まれの19歳という俊英 紀尾井ホール室内管弦楽団(KCO)の11月の第145回定期演奏会は、東京オペラシティのコンサートホールで行われる。 指揮は、これがKCOへのデビューとなるイギリスのダンカン・ウォード。 ベルリン・フィルのカラヤン・アカデミーで学び、ロンドン交響楽団やドレスデン国立歌劇場管弦楽団などを指揮した経験をもち、2021年から南オランダ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者をつとめる、期待の新鋭だ。 曲目はブリテン、ベルク、ブラームスのオール「B」プログラム。 はじめに、来年没後50年を迎えるブリテンの代表作、歌劇《ピーター・グライムズ》からの、「4つの海の間奏曲」が演奏される。人の心の反映のような海の情景を、どのように描き出してくれるだろうか。 続いては、そのブリテンが多大な影響を受け、自らもヴァイオリン協奏曲を作曲するきっかけとなった、ベルクので、現在はアメリカのカーティス音楽院で学ぶ。今回はチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を通じ、持ち前の美しい音色と確かなテクニックを存分に発揮してくれることだろう。 指揮はシンガポール出身のダレル・アン。2007年のブザンソン国際指揮者コヴァイオリン協奏曲。ソリストは1982年のチャイコフスキー・コンクール優勝以来、華やかなキャリアを築いてきたヴィクトリア・ムローヴァだ。 来日公演も数多いが、この名曲を日本で演奏するのは、意外にも初めてという。オーケストラとの緊密な対話が重要な作品ンクールで優勝を果たし、現在は四川交響楽団の芸術監督および首席指揮者として活躍する注目のマエストロが、ソリストとオーケストラの輝きを最大限に引き出す。次世代を担うアーティストたちの情熱と才能が結集する特別なコンサートで、名曲の新たな息吹を感じよう。だけに、大きすぎないKCOとの共演は嬉しい。 締めはブラームスの人気作、交響曲第1番。これもベルク同様、大編成で力まかせに鳴らすのではない、俊敏さと明瞭で美しい響きによって聴かせてくれることだろう。未来を拓く新星二人の競演
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