大野和士 ©Herbie Yamaguchi矢部達哉 ©T.Tairadate©Peter Rigaud10/19(日)15:00 東京芸術劇場 コンサートホール問 都響ガイド0570-056-057 https://www.tmso.or.jp11/26(水)19:00 東京オペラシティ コンサートホール問 ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212 https://www.japanarts.co.jp他公演11/25(火) ミューザ川崎シンフォニーホール(神奈川芸術協会045-453-5080)11/27(木) 大阪/東京建物 Brillia HALL 箕面(箕面市立文化芸能劇場)(箕面市メイプル文化財団072-721-2123)44文:小室敬幸文:青澤隆明 すぎやまこういち(1931 ~2021)といえば「歌謡曲の作編曲家」「ドラゴンクエストの交響組曲」というイメージが強いかも知れないが、2つのキャリアのあいだに残された重要な仕事がアニメ『伝説巨神イデオン』(1980 ~ 81)だ。『機動戦士ガンダム』のテレビ放送を終えたばかりの富野由悠季が手掛けたロボットアニメに、すぎやまはロックやジャズのサウンドを取り入れた壮大なオーケストラサウンドをあてがった。この素材を作曲者自身が再構成して全4楽章、40分近い大作となったのが交響曲「イデオン」だ。オーディオ交響曲第1 ~ 2番に続く、すぎやまにとって3番目の交響曲である。親しみやすい抒情的な旋律を基調としながらも、すぎやまが少年時代から愛したプロコフィエフやストラヴィンスキーら、20世紀前半のロシア・ソ連出身の作曲家の系譜に位置づけられる傑作だ。 他にも『イデオン』の劇場版のため 生は死の傍らにある。死は親しく生に寄り添う。孤独のなかで、その色調は熟成される。 親しい誰かを亡くす、病や老い、狂気や死の影が自身に迫る。 ぎりぎりの地平で、しかし彼は生きぬく。その証を創作の筆に託し、天才は未知の時間を切り進む。 イゴール・レヴィットは当代屈指のピアニストにして、現代社会を果敢に人間的に生き抜こうとする活動的な意志の持ち主である。作曲であれ、演奏であれ、ときには聴取であれ、表現することは生と死を賭したぎりぎりの綱渡りなのだ。その痛切さと真率さが、レヴィットの思惟や演奏に通底する苛烈な精神の佇まいにはある。 ザルツブルク音楽祭を皮切りに、いま彼が弾き継いでいるのが、シューベルトの変ロ長調ソナタ、シューマンの「夜曲」、ショパンのロ短調ソナタという独創的なプログラムだ。シューベルトは病没する年に書いた最後のソナに書かれた名曲「カンタータ・オルビス」を贅沢にも新国立劇場合唱団が歌い、すぎやまと都響の密な結びつきを象徴するコンサートマスター・矢部達哉のために書かれた協奏曲まで披露される。 指揮を務める都響・音楽監督の大野和士は、すぎやまへの追悼とタ。ショパンの第3番は健康状態も悪い上、父を失くした後の作だ。しかし、両者の畢生の大作は、生をまっとうする創造の意志を謳い上げてもいる。 シューマンは28歳のとき、「死者(葬列)の幻想曲」と呼んでいた本作の予感のなか、兄の危篤の知らせを受ける。 異様なまでの精神の切迫を感じさせる音楽が綴られた。 1828年、39年、44年へと時を歩む流れだが、時代の推移、個性や様式の差異を超えて、孤独な精神の漂泊が生と死をともに生き切るように凄絶な燃焼をみせるのではないか。レヴィットの鋭敏な感性に触れ、諸作が連なり、未知の相貌を帯びてくるものと期待される。して演奏された交響組曲「ドラゴンクエストⅡ」の〈レクイエム〉で真摯な名演(都響のYouTubeで聴くことができる!)を披露しているので今回も期待して良いだろう。すぎやまこういちの真価を体感できる、絶対に聴き逃がせない公演だ!創立60周年記念 都響スペシャル「すぎやまこういちの交響宇宙」アニメ史に刻まれた不朽の旋律がいま、よみがえる!イゴール・レヴィット ピアノ・リサイタル生と死の狭間に息づく創造
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