eぶらあぼ 2025.10月号
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左上より:フォーレ四重奏団 ©Tim Kloecker/ハーゲン・クァルテット ©Andrej Grilc/イェルク・ヴィトマン ©Marco Borggreve/ニコラ・アルトシュテット ©Marco Borggreve/アンナ・プロハスカ ©Marco Borggreve/ジャン=クロード・ぺヌティエ ©大窪道治/ティル・フェルナー ©Gabriela Brandenstein/日下紗矢子 ©Akira Muto/ニルス・メンケマイヤー ©Irène Zandel/アネッテ・ダッシュ ©Daniel Pasche/青木尚佳 ©井村重人/笹沼 樹 ©Taira Tairadate/永野英樹 ©J.RADEL37妊中で)ベストの状態ではなかったので、もう一度やりたいと思っていた」ところ、「最近フォーレQとコラボしているのを知って」今回の共演に至った。中でもオペレッタ/ミュージカル中心のプログラムは新鮮な魅力に溢れている。 もう1つ、25周年に相応しいのがハーゲン・クァルテット。40余年の活動歴を誇る世界最高の弦楽四重奏団たる彼らは、2025/26シーズンをもって引退する。そこで当ホールでは二度にわたる〈ハーゲン プロジェクト フィナーレ〉を開催。これは、20年間多様な公演を行い、彼らをして「日本のホーム」と言わしめるこのホールならではの企画だ。11月の3公演(完売)では、鬼才クラリネット奏者&作曲家イェルク・ヴィトマンの出演が注目されるし、周年シーズンを締めくくる2026年7月の「世界最後の2公演」はむろん必聴だ。 なおヴィトマンは日本人奏者との室内楽公演も行う。「このためだけに帰国する」ミュンヘン・フィルのコンマス・青木尚佳や、チェロの笹沼樹、ピアノの永野英樹(アンサンブル・アンテルコンタンポランに属する彼とヴィトマンの邂逅も意味深い)という共演者の顔ぶれも実にTOPPANらしい。 そして〈ニューイヤーコンサート〉。新年らしからぬシリアスな内容で知られる同公演だが、今回は趣向が異なり、今年から貸与されているピアノ「1909年製ベーゼンドルファーModel250」の「温かく深い音」を生かした超名曲プロが予定されている。また〈ランチタイムコンサート〉でも同楽器を用いた公演が行われるので、その音色にぜひ触れてみたい。 さらにシーズン後半の目玉の1つが〈ニコラ・アルトシュテット(チェロ) プロジェクト〉。「アホネンやグリンゴルツ等の鬼才を集めた」攻撃的な2夜が好奇心を刺激する。 このほか、「すごい歌手。『これは事件だ』といえる公演」となるソプラノのアンナ・プロハスカ等の初登場組に、「最後の日本公演になるかもしれない」ジャン=クロード・ぺヌティエや、ティル・フェルナー(共にピアノ)といったゆかりの名手等々、書き切れないほど魅力的な公演が続く。 ホール企画から生まれたコラボレーションやプログラムはすでに欧州でも再現されており、「今後も実現させていきたい」と西巻氏は語る。我々は垂涎の企画ばかりの25周年シーズンを存分に満喫したい。TOPPANホール25周年 室内楽フェスティバル 2025/26シーズンオープニング 特別企画 【I】10/2(木)19:00(完売) 【II】10/4(土)18:00(完売)  【III】10/5(日)18:00 【IV】10/7(火)19:00 【V】10/8(水)19:00 TOPPANホールイェルク・ヴィトマン(クラリネット) mit 青木尚佳(ヴァイオリン) & 笹沼 樹(チェロ) & 永野英樹(ピアノ)11/15(土)13:00 TOPPANホール□ TOPPANホールチケットセンター03-5840-2222 https://www.toppanhall.com※シーズンプログラム、発売日などの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。

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