eぶらあぼ 2025.10月号
134/149

コンサートギャラリーNew Release Selection新譜情報BooksぶらPAL海外公演情報今月の注目公演川口成彦 ©Fumitaka Saito細谷公三香13110/18(土)14:00 東京オペラシティ リサイタルホール10/28(火)19:00 浜離宮朝日ホール10/31(金)19:00 Hakuju Hall10/7(火)19:00 兵庫県立芸術文化センター(小)10/19(日)14:00 千葉 / 君津市民文化ホールレクチャーコンサート フォルテピアノで読み解く作曲家のひみつ10/29(水)15:00 調布市文化会館たづくり くすのきホール文:近松博郎細谷公三香(チェロ) × 田村 響(ピアノ) デュオリサイタル Vol.3千葉交響楽団演奏会 山下一史(指揮) × ギグラ・カツァラヴァ(ピアノ)掲載している公演の最新情報は、それぞれの主催者のホームページなどでご確認ください。長島剛子チェロの細谷公三香とピアノの田村響による人気のデュオリサイタルの第3弾。ともに国際的に活躍する演奏家だが、二人はザルツブルク・モーツァルテウムで学んだ「盟友」だという。田村 響 ©武藤 章兵庫県出身で兵庫芸術文化センター管弦楽団に所属した細谷にとって会場はなじみの深い場所。今回は近現代のフランスものを中心に据え、心おきなく熱演を聴かせる。ドラマ、アニメ、ゲーム音楽の分野でも活躍著しい菅野祐悟の作品にも注目。県内唯一のプロ・オーケストラである千葉交響楽団は実力派指揮者の山下一史を音楽監督に迎えて今年で10年となり、近年ますますの充実ぶりをみせる。今回は君津市民文化ホールの山下一史 ©ai ueda ギグラ・カツァラヴァ記念事業として、オーケストラの多彩な魅力を存分に味わえる3つの名曲を演奏する。旧ソ連のジョージア生まれでモスクワ音楽院に学び、多くのピアニストを育てている名手ギグラ・カツァラヴァのラフマニノフもぜひ聴いておきたい。近年、いわゆるフォルテピアノによる演奏会もだいぶ増えてきたが、川口成彦はこの流れを牽引する演奏家といえる。その彼が、3台の楽器を弾き分けるという好企画。ピアノが近代的な楽器へと変貌する過渡期にウィーンで作られたワルター、産業革命を迎えたイギリスで作られた重厚なブロードウッド、そして家庭への普及に一役買った横型のスクエアピアノが並ぶ。授業を受ける感覚で川口の生演奏と解説を贅沢に楽しめる。レパートリーの幅広さが目を引くピアノ・リサイタルだ。高木早苗は東京藝術大学を経てミュンヘン音楽大学大学院マイスタークラスを修了し、帰国後にチェンバロや通奏低音奏法も習得したという才人。定期的なソロ・リサイタルのほか、特定の作曲家に焦点を当てたトークコンサートを全国で展開してきた経歴も引き出しの豊かさと結びつく。プログラム最後のベートーヴェンの後期ソナタではとくに演奏者の真価が発揮されることだろう。ソプラノの長島剛子とピアノの梅本実によるリートデュオ・リサイタル「世紀末から20世紀へ」の第18回。彼らはこの時代のドイツ歌曲のエキスパートとして、演奏 活 動、CDリリー梅本 実ス、出版譜監修を通じて長年貢献し、高い評価を得てきた。今回取り上げるのは、この時代のウィーンで活躍した著名な作曲家たち。どことなく閉塞感に包まれた昨今、彼らの音楽がわれわれに語りかけてくるメッセージは一層重く感じられる。ラ・フォンテヴェルデは16~17世紀初期イタリアのマドリガーレの演奏と普及に尽力するプロ集団。今回はオペラの源流とされるジャンルの一つであるマドリガル・コメディの傑作、オラツィオ・ヴェッキ(1550~1605)の「パルナソスの山巡り」を上演。音楽史的な意義とは別に、名手たちによる奇想天外の恋愛喜劇を味わうことが出来るはず。この分野の世界的研究者である松本直美の解説も必聴だ。高木早苗(ピアノ)長島剛子(ソプラノ) & 梅本 実(ピアノ)リートデュオ・リサイタルラ・フォンテヴェルデ 第38回 定期演奏会月の10

元のページ  ../index.html#134

このブックを見る