カーチュン・ウォン ©Ayane Satoウーヴェ・ハイルマン髙木竜馬 ©Yuji Ueno髙田智宏福井友加里『ゴジラ』から新世界へ、楽団との絆を深める俊英が魅せる!第410回 横浜定期演奏会 9/20(土)15:00 横浜みなとみらいホール第256回 芸劇シリーズ 9/21(日)14:00 東京芸術劇場 コンサートホール問 日本フィル・サービスセンター03-5378-5911 https://japanphil.or.jp79カーチュン・ウォン(指揮) 日本フィルハーモニー交響楽団ハイルマン合唱団 & オーケストラ メンデルスゾーン「エリア」全曲音楽への熱き情熱をメンデルスゾーンの傑作に込めて文:鈴木淳史文:池田卓夫 伊福部昭の「SF交響ファンタジー第1番」でスタート。映画『ゴジラ』シリーズを手がけた作曲家が、一連の映画音楽を演奏会用の管弦楽曲としてまとめた作品だ。カーチュン・ウォンは、伊福部音楽のエッセンスを鮮やかにホールに響かせてくれよう。 この 音 楽 で 印 象 的 な『 ゴジラ 』のテーマは、次に演奏される協奏曲の第3楽章にも顔をのぞかせる。ラヴェルのピアノ協奏曲 ト長調だ。 ユーモアと抒情を兼ね備えた20世紀を代表するコンチェルト。 独奏を務めるのは、数々のコンクールで優勝を果たしてきた髙木竜馬だ。 そのテクニカルで華やかな音色を生かし、ラヴェルならではのピアニズムを堪能させてくれることだろう。 後半は、圧倒的なスケール感と情感豊かなメロディをもつ、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」。広く親しまれた名曲を若い首席指揮者がど 日本在住約30年のドイツ人テノール歌手、ウーヴェ・ハイルマン(1960年ダルムシュタット生まれ)が9月3日、ミューザ川崎シンフォニーホールでメンデルスゾーンの傑作オラトリオ「エリア」を初めて指揮する。 ハイルマンは20歳からドイツの歌劇場で歌い、28歳で米メトロポリタン歌劇場にデビュー。メジャーレーベルへの録音も盛んに行った。1996年に夫人でソプラノ歌手の中村智子の出身地である鹿児島県に拠点を移し、沖縄県立芸術大学と鹿児島国際大学、さらにエリザベート音楽大学、洗足学園音楽大学などで「400人以上の声楽家を育ててきた」という。 教職の一線を退く際、「若い時に短期間で世界的キャリアを授けてくれたミューズ(音楽の女神)が再び私にささやいたのです。『あなたの経験と財産を若い日本人音楽家のために捧げなさい』と。最初は鹿児島で合唱団をのように解釈してくれるのか。そして、それに刺激を受けたオーケストラによる、ルーティンに囚われない新しいサウンドに期待したい。組織しました」。2022年には第2段階として東京にハイルマン合唱団と「セミプロのオーケストラ」を立ち上げた。オケの中枢は神奈川フィルハーモニー管弦楽団の楽員が担い、「ほぼいつも同じ顔ぶれ」だ。 「エリア」の独唱にはドイツで活躍する2人の門下生を招いた。ソプラノの福井友加里は24年にカールスルーエ9/3(水)18:30 ミューザ川崎シンフォニーホール問 ハイルマン合唱団事務局090-2463-8047 https://heilmannclassics.com カーチュンが日本フィルの首席指揮者に就任して2年。 彼らのコンビネーションの成長も楽しみな演奏会になるだろう。音楽大学オペラ修士課程を修了、同地のバーデン州立歌劇場にモーツァルトやR.シュトラウスのコロラトゥーラとして出演している。バリトンの髙田智宏はキール歌劇場時代に宮廷歌手の称号を得て、20年以降はバーデン州立歌劇場専属。兵庫県立芸術文化センターの佐渡裕プロデュースオペラでも看板歌手の1人だ。
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