eぶらあぼ 2025.9月号
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第6回 那須クラシック音楽祭コンサートやアカデミーが盛りだくさんの1ヵ月9/6(土)~10/5(日) 栃木/那須町文化センター、弦楽亭 他問 那須クラシック音楽祭0287-76-7268 https://ncmf.siteフェデリコ・アゴスティーニ吉澤 実「発見」の喜びに満ちた、癒しのひととき第181回 リクライニング・コンサート 長 哲也(ファゴット) & 永原 緑(ピアノ)10/9(木)15:00 19:30 Hakuju Hall問 Hakuju Hall チケットセンター03-5478-8700 https://hakujuhall.jp73Interview長 哲也(ファゴット)取材・文:柴田克彦文:長谷川京介 那須の自然に囲まれた「那須クラシック音楽祭」は今年で第6回を迎え、より多彩な内容での開催となる。期間は9月6日から10月5日まで、那須町内各所で展開。 出演者には、イ・ムジチ合奏団のコンサートマスターを務めたフェデリコ・アゴスティーニ、梶川真歩(フルート)らN響のメンバー、リコーダー界の第一人者・吉澤実のほか、実力派が名を連ね、室内楽から声楽まで幅広いプログラムが用意されている。音の鳴る古代石サヌカイトとヴァイオリンの共演(小松玲子×矢野晴子)や、バロックダンスとアーリーギター 東京都交響楽団の首席ファゴット奏者・長哲也が、この10月、Hakuju Hallの「リクライニング・コンサート」に出演する。東京藝大卒業と同時に都響へ入団し、以後10年以上首席奏者を務め(その後リヨン高等音楽院大学院も修了)、室内楽等でも活躍する彼は、同楽器の新世代を代表する存在。リサイタルも「ここ10年ほど年1~2回行っている」が、東京での本格的な公演は「2015年の東京オペラシティ『B→C』以来」だという。 今回は休憩なしの1時間公演とはいえ、それほど貴重な機会だ。 「皆さんファゴットに絞って耳を傾ける機会はあまりないと思うので、今回はできるだけ心地よく聴いていただける内容を心がけ、難解なオリジナル曲ではなく、純粋に楽しんでもらえる曲を中心に選びました」 プログラムにはドイツ・ロマン派と近代フランスの多彩な作品が並ぶ。 「シューマンの『3つのロマンス 』は様 々 な 楽 器 で 演 奏 さ れるお 馴 染 みの作品で、ラヴェルの『ハバネラ形式の小品』とフォーレの『小品』はヴォカリーズ=歌詞のない歌。以上は美しい旋律を持つ親しみやすい曲です。デュティユーの『サラバンドとコルテージュ(行列)』は、パリ音楽院の試験曲。前半はゆったり、後半は技巧的な内容で、かなり若い時の作品ゆえに、後の作風によるステージ(市瀬陽子×竹内太郎)など、異色の企画も話題を呼びそうだ。音楽と映像の融合美を楽しむサン=サーンス「動物の謝肉祭」と長生淳「動物たちのダンス・パーティー」は小学生以下無料。コンサートに加えてリコーダーアカデミーも実施され、若い世代と演奏家との交流の場ともなりそう。首都圏から日帰りも可能な那須高原の澄んだ空気に包まれながら、音楽に浸るひとときをゆったりと味わってみてはいかがだろうか。とは違った穏やかな音楽です。ブルッフの『ロマンス』はヴィオラのために書かれた綺麗な曲。 フランス留学中に先生が好んで演奏されていたのを聴いて『いいな』と思い、ことあるごとに取り上げています。ウェーバーの『アンダンテとハンガリー風ロンド』はヴィオラ用の曲を作曲者自身が編曲した作品。デュティユーとウェーバーはファゴットの定番曲で、後半がかなり盛り上がるので、そうした一面も聴いていただけます」 共演するピアニスト、永原緑への信頼も厚い。 「管楽器伴奏の経験豊富な奏者。 入念な準備をしてきてくださるので、余計なことを考えずに音楽に集中できます。 特に音量が強くないファゴットの音をよく聴いて、絶妙にコントロールしてくれる。 私が藝大在学中に伴奏助手をされていて、それ以来共演を続けています」 ちなみにHakuju Hallは「高級感があって、演奏者も聴衆もメンタル的に落ち着ける空間」だと話す。そこでのリサイタルとなればより注目度がアップする。 「オーケストラの公演でファゴットをスポット的に聴くことはまずないでしょう。しかし今回は、最初から最後までこの楽器の音を聴けるので、音域によるキャラクターの違いや曲による表現の違いなど、普段接する機会が稀な一面を楽しんでいただきたいです」 本公演に足を運べば、幅広い音楽ファンが「発見」の喜びを得られるに違いない。

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