阪田知樹 ©Ayustet原田 節 ©Yutaka Hamano児玉 桃 ©Marco Borggreveカーキ・ソロムニシヴィリ ©Darja Štravs Tisu高関 健 ©K.Miuraアレクサンダー・ガジェヴ ©Andrej Grilc二人の俊英ピアニスト、それぞれの才能を味わう好企画高関 健(指揮) 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団盤石の布陣で「トゥーランガリラ」に挑む 43日本・スロヴェニア友好プロジェクトカーキ・ソロムニシヴィリ指揮 スロヴェニア・フィルハーモニー管弦楽団 ピアノ:阪田知樹、アレクサンダー・ガジェヴ11/27(木)♦、11/28(金)★ 各日19:00 東京芸術劇場 コンサートホール 問 ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212 https://www.japanarts.co.jp他公演 11/24(月・休) 横浜みなとみらいホール♦(神奈川芸術協会045-453-5080)11/29(土) 大阪/ザ・シンフォニーホール ♦(ABCチケットインフォメーション06-6453-6000)★阪田知樹(ピアノ) ♦アレクサンダー・ガジェヴ(ピアノ)※公演の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。第383回 定期演奏会 11/8 (土) 14:00 東京オペラシティ コンサートホール問 東京シティ・フィル チケットサービス 03-5624-4002 https://www.cityphil.jp文:飯尾洋一文:江藤光紀 スロヴェニア・フィルハーモニー管弦楽団が首席指揮者カーキ・ソロムニシヴィリとともに来日する。 阪田知樹とアレクサンダー・ガジェヴをソリストに立てた2つのプログラムが披露される。 スロヴェニア・フィルはリュブリャナを拠点とするオーケストラ。その前身は1701年に創設されたアカデミア・フィルハーモニコルムにまで遡る。歴史的にドイツとの結びつきが強く、ハイドンやベートーヴェン、ブラームスらを名誉会員に迎えた歴史を誇る。指揮のカーキ・ソロムニシヴィリは1990年ジョージア生まれの俊英。トビリシ・オペラ・バレエ劇場やジョージア・フィルで経験を積み、昨年この楽団のシェフに就任した。 11月28日の公演は阪田知樹との共演で、ブラームスのピアノ協奏曲第1番と第2番の両方が演奏される。これはソリストにとっては超重量級のプログラムだ。 ほとんど交響曲並みのス 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団は、11月の第383回定期演奏会で20世紀フランスを代表する作曲家オリヴィエ・メシアンの代表作「トゥーランガリラ交響曲」を取り上げ、シーズンを締めくくる。 「トゥーランガリラ交響曲」は大編成の管弦楽による豊潤なパレットに、ソリスティックなピアノ、さらには神秘的な電子音を奏でるオンド・マルトノが彩りを添える。メシアンが長年にわたって深めてきたリズムや旋法についての作曲技法が縦横無尽に駆使され、サンスクリット語に由来する「愛の歌」という主題が、シンメトリカルに構成された全10楽章にわたり、1時間半という空前の規模で展開される。 東京シティ・フィルの常任指揮者・高関健は、その丹念な解釈と緻密な構築力でこれまでにも数々の大曲の上演を成功に導いてきた。ソリストには日本におけるオンド・マルトノの第一人ケールを持つブラームスのピアノ協奏曲を2曲とも弾くとは! だが、阪田知樹が弾くというのなら期待感は高まるばかり。 高度なヴィルトゥオジティと知性を併せ持つ名手にして初めて可能なプログラムだろう。 11月24日と27日の公演では、アレクサンダー・ガジェヴがラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を演奏する。ガジェヴは確かな技巧に加えて、作品を一から見つめ直すような思索的なアプローチを特徴とするピアニスト。華や者・原田節とメシアンのスペシャリストとして世界的に認知されるパリ在住のピアニスト・児玉桃という二人のベテランを迎える。 楽曲の魅力を最大限に引き出すベストなキャスティングとなっている。 ジャングルのように入り組んだ音の迷宮に、東京シティ・フィルが総力を挙かさだけにはとどまらない作品の魅力を明らかにしてくれることだろう。24日はブラームスの交響曲第1番、27日はチャイコフスキーの交響曲第5番でオーケストラの持ち味が発揮される。げて挑戦する意欲的な演奏会で、今シーズンの集大成というにふさわしい。東京オペラシティが豊穣なサウンドで満たされ、愛の深淵へと誘われる一夜となろう。公演前には高関によるプレ・トーク(13時40分~)も予定されており、楽曲の背景や解釈のポイントについて解説してくれる。
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