□ □□ □ □ □〔Ⅰ〕オーストリア136ウィーン響曽雌裕一 編【本文中の記号】★ = プレミエ[新演出]公演、◎ = 注目公演◎12月4(19:00)、7(18:00)、12(19:00)、15(19:00)、21(18:00)、29(19:00)日 M.アイゼンライヒ:シンデレラの夢(J.シュトラウスのスケッチによる)[25年11月プレミエ] 演出/A.ラニシュ12月5(19:00)、9(19:00)、18(19:00)、30(19:00)日 モーツァルト:魔笛 演出/L.デ・ベア12月8(18:00)、13(18:00)、16(11:00)、23(18:00)、25(18:00)、27(18:00)日 フンパーディンク:ヘンゼルとグレーテル 演出/K.デンヒ◎12月10(20:00)、17(20:00)日 N.シュトルンク、L.シュレンク、G.カゼス:キリング・カルメン(Killing Carmen)(ビゼーの「カルメン」を元に様々なアレンジを施したオペラ・ミュージカル)[25年10月プレミエ] 演出/ N.シュトルンク、L.シュレンク12月28(11:00)日 J.アロウアス:ボタン戦争 演出/ J.アロウアス[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)] 大晦日の話が出たついでに、面白そうな大晦日コンサートを見てみると、ウィーン・フィルがネゼ=セガン指揮、シュターツカペレ・ベルリンがティーレマン指揮、ベルリン・フィルがペトレンコ指揮、ベルリン・コンツェルトハウス管がマルヴィッツ指揮、チューリヒ・トーンハレ管がガーディナー指揮というところだろうか。 オペラの話に戻ると、12月7日はミラノ・スカラ座のシーズン開幕の日。今年は、何とショスタコーヴィチの「ムツェンスク郡のマクベス夫人」で幕開け。イタリア・オペラを待望する方には肩透かしを食らったような選曲だが、ローマ歌劇場の開幕もワーグナー「ローエングリン」なので、驚く必要もなかったか…。他には、シャンゼリゼ劇場でのミンコフスキ指揮によるオッフェンバック「ロビンソン・クルーソー」などは、いかにも楽しそうな公演。 オーケストラ公演では、ペトレンコが古巣のバイエルン州立管を振るチャイコフスキー第4番メインの公演、サロネンがベルリオーズ「幻想交響曲」を振るバイエルン放送響、ヴィオッティ指揮ミラノ・スカラ座管(ストヤノヴァ出演)、ムーティ指揮フィレンツェ五月音楽祭管、ラトル指揮チェコ・フィル、ケント・ナガノ指揮ベルリン・ドイツ響等々。 (曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)ウィーン国立歌劇場◎12月2日 A.グリゴリアンS 共/チュ・ヒョンギp◎12月3、6日 ヤナーチェク:マクロプーロス事件 指/ T.ハヌス、演出/ P.シュタイン、出/ M.ペーターゼン、B.スコウフス12月5、7、9、12日 プッチーニ:蝶々夫人 指/ G.ビサンティ、演出/ A.ミンゲッラ、出/E.ブラット、D.スシュコワ12月11日 J.クライターS、G.グロイスベックBs共/ M.マルティノーp◎12月14、17、20、23日 R.シュトラウス:エレクトラ 指/ A.ソディ、演出/ H.クプファー、出/ N.ステンメ、A.ストゥンディーテ、C.ニールンド12月15、18、21、25日 プッチーニ:ラ・ボエーム 指/ G.サグリパンティ、演出/ F.ゼッフィレッリ、出/ J.D.フローレス、N.カー、A.ジリコフスキー、ジュソン・G・パク★◎12月16、19、22、27、30日 ベートーヴェン:フィデリオ[プレミエ] 指/ F.ウェルザー=メスト、演出/ N.ハビアン、出/ A.モクス、C.マルトマン、D.B.フィリップ、M.ビストレム、T.ナズミ、F.イリエ12月26、28、29日 フンパーディンク:ヘンゼルとグレーテル 指/ C.マイスター、演出/A.ノーブル◎12月31日 J.シュトラウスII:こうもり 指/M.ポシュナー、演出/ O.シェンク、出/ J.カウフマン、D.ダムラウウィーン・フォルクスオーパー12月2(19:00)、31(13:30+19:00)日 J.シュトラウスII:こうもり 演出/ R.ヘルツル◎12月3(19:00)、6(19:00)、19(19:00)日J.シュトラウスII:ヴェニスの一夜[25年10月プレミエ] 演出/ N.スパイカース◎12月6(15:30)、7(11:00)、8(11:00)、11(19:30)(KH)日 J.フルシャ指揮 コダーイ:ガランタ舞曲、バルトーク:中国の不思議な役人〜組曲、ドヴォルザーク:野ばと、ヤナーチェク:タラス・ブーリバ◎12月18(19:30)、20(15:30)、21(11:00)日 F.ウェルザー=メスト指揮 ベートーヴェン:レオノーレ〜序曲第3番、R.シュトラウス:メタモルフォーゼン(変容)、ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」◎12月30(11:00)、31(19:30)日 Y.ネゼ=セガン指揮(プレ・ニューイヤー・コンサート(30日)/ジルヴェスター・コンサート(31日)) J.シュトラウス・ファミリー他の作品[会場:(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(WSD)=シュテファンスドーム(ウィーン)、(TAW)=アン・デア・ウィーン劇場(ウィーン)]◎12月1(19:30)(MV)日 A.フィッシャー指揮 モーツァルト:交響曲第40番、ハイドン:ネルソン・ミサ 独/ K.コンラディS、チャン・ヤジエMs、M.ペーターT、F.ベッシュBs-Br12月4(19:30)(KH)日 O.M.ヴェルバー指揮 プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番、エルガー:交響曲第1番 独/ユジャ・ワンp12月5(19:00)(KH)日 O.M.ヴェルバー指揮(FRIDAYS@7) プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番、ベートーヴェン:交響曲第2番独/ユジャ・ワンp、他◎12月11(20:30)(WSD)日 〔アドベント(待降節)コンサート〕 P.ポペルカ指揮 ドヴォルザーク、スメタナ、ゼレンカ、スーク他の作品によるボヘミアのクリスマス 独/ K.クニェジコヴァS、S.プチャルコヴァMs、P.チェルノフT、A.プラチェトカBs-Br★◎12月14(14:00+16:00)(TAW)、16(10:30+12:30)(TAW)、18(10:30+12:30) 12月の注目公演は、まずはベルリン・フィル。というのも2025/26シーズンにこのオケを初めて振る指揮者は5人だが、そのうち2人が12月に登場するからだ。しかも、それがジョルディ・サヴァールとラファエル・ピションという、古楽界では、今さら何をか言わんという超巨匠老練大指揮者と、飛びきりの売れっ子若手スター指揮者であるという驚き。もうそれぞれに確固たる地位を得ているこの2人をなぜベルリン・フィルが起用したのかも興味津々だが、そのオファーを受けた彼らにもビックリ。特に御年84歳の名匠サヴァールがベルリン・フィルを相手に何をやるのだろう。彼の通常の相棒であるコンセール・デ・ナシオンやエスペリオンXXIとは、それこそ妖精が典雅に天空を漂うような、優美かつ繊細、しかもそれだけでなく和声的には大変厳しくコントロールされた音楽をいつも聴き手に提供してくれる。しかも、サヴァール自身の放つ老齢の色気がまたたまらない。このような人間的な魅力の横溢した老匠指揮者に、どちらかといえば奏者個人の卓越した技量とパワフルなアンサンブルで勝負するベルリン・フィルがどのように調和していくのか。いやいや、これは興味の尽きない組み合わせだ。古楽系の若手・中堅指揮者として引っ張りだこのピションにしても、ベルリン・フィルという荒馬の手綱をどう取っていくのか楽しみ。12 月の 見も の・聴 きも の 一方、ウィーン・フィルの方は、久々登場のウェルザー=メストに注目。オペラでも、ウィーン国立歌劇場でベートーヴェン「フィデリオ」のプレミエを任され、ウィーンのクリスマス・シーズンを盛り上げる。もちろん、フルシャの指揮するウィーン・フィルも聴き物。 ベルリン州立歌劇場は、やっと音楽監督ティーレマンの出番が本格化してきて、9月から10月にかけてのワーグナー「リング」ツィクルスを終えたところで、12月にはベルクの「ヴォツェック」を上演する。「ヴォツェック」は、10月にはラトル=バイエルン放送響、11月には大野和士指揮の新国立劇場、そして12月にはベルリンでティーレマン指揮、と偶然ではあろうが、注目公演が毎月並ぶこととなる。巨匠クラスのオペラということでは、バイエルン州立歌劇場の大晦日恒例、J.シュトラウスの「こうもり」を振るのがズビン・メータというのも、これまた驚きのキャスティング。音楽監督のユロフスキーはどこ行ったの?と思ったら、もう一つのポストであるベルリン放送響でベートーヴェンの「第9」を振っていた。J.シュトラウスの「こうもり」は年末、多くの劇場で上演されるが、チューリヒ歌劇場のプレミエ(ヴィオッティ指揮)やウィーン国立歌劇場(カウフマン出演)での公演が、大晦日の「こうもり」の中では面白そう。アン・デア・ウィーン劇場★◎12月14(14:00+16:00)、16(10:30+12:30)、18(10:30+12:30)、19(16:00+18:00)、21(14:00+16:00)、28(14:00+16:00)日 G.カンペ:Ich bin Vincent! und ich habe keine Angst(ファミリー・オペラ)[プレミエ] 指/ M.バルケ、演出/ J.シュミット、演奏/ウィーン響◎12月20(19:00)日 モーツァルト/ J.B.ヘンネベルク/ B.シャック/ F.X.ゲルル:賢者の石、または魔法の島(演奏会形式) 指/R.ロッター、出/ M.シャーデ、J.ミュラー、E.ハルサーニ、演奏/ホーフカペレ・ミュンヘン管ウィーン・フィル2025年12 月 の
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