N&FMF29801 ¥3300(税込)アラベスク/福田進一&大萩康司フォーレ:ピアノソロ作品全集 第1巻/西岡沙樹クセナキス、一柳慧、杉山洋一:管弦楽作品集/杉山洋一&都響&N響&新日本フィルかつて夜の灰色から浮かび出て/黒岩航紀&伊藤万桜&陬波花梨巨匠・福田進一と弟子で大人気の大萩康司のギター・デュオ。ソル「アンクラージュマン」の田園風の序奏が、甘い旋律で美しい。情感豊かなミノーレやスピード感のある変奏を経て、ワルツの終曲まで、どこをとってもこの二人ならではの豊かで魅力的な響きを楽しめる。ドビュッシー「アラベスク」は、緩急自在の歌が繊細にニュアンスづけされて、幻想的な味も醸し出す。ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」では、たっぷりとした歌が詩情をかき立てる。ブローウェル「ミクロピエサス」では、現代的な響きが炸裂して、二人の火花を散らすようなせめぎあいが面白い。アンコールのビートルズも味がある。(横原千史)西岡沙樹はフォーレ国際ピアノコンクールで第2位、バルセロナ国際ピアノアカデミーコンクールで優勝に輝き、ヨーロッパ各地でリサイタルを行っている。そんな西岡がフォーレのピアノソロ全作品を2巻に分けてリリースする。「光と影」に着想を得て、本作第1巻(CD2枚組)は「光」をテーマとし、4曲のヴァルス=カプリス、3つの無言歌、5曲の即興曲、13曲の舟歌などを収める。西岡の温かみのある音色は、ヴァルス=カプリスにもどこか陰影を感じさせ、即興曲には可憐な歌心が滲む。舟歌では、奥行きのある表現力により、フォーレの創作の変遷を鮮やかに描き出してゆく。(飯田有抄)近年、作曲家としてのみならず指揮者としても存在感を増している杉山洋一の活躍ぶりを記録した一枚だ。クセナキス「ジョンシェ」はマスとして把握されたオーケストラが暴力的なエネルギーを発散する。半世紀近く前の作品だが、この作曲家の脂の乗った筆運びがヴィヴィッドに伝わってきた。一柳慧の遺作「ヴァイオリンと三味線のための二重協奏曲」は独奏楽器の瞑想的な対話に始まり、後半は彼のトレードマークとも言うべきミニマリズムとなり疾走する。パンデミック下に作曲された杉山の「自画像」は、各種の政治紛争が、該当国の国歌を引用しながら、一種のカオスのように描写される。(江藤光紀)矢澤孝樹氏のライナーノーツの言葉を借りれば「出自も異なれば発音原理も異なる3つの楽器が奏でる未知の響き」に魅せられるアルバム。この異色トリオのために、ミヨーとラヴェルの作品はそれぞれクラリネットとチェロをサクソフォンに置き換え、ドビュッシー「夢想」はピアノ&ヴァイオリン&チェロのための編曲版の別編成だが、芸達者な3人が織りなす色鮮やかな新世界に心を掴まれる。もちろん、新印象主義派なドフォンテーヌが2000年に書いた「夢の色彩」と、クレーの絵画にインスパイアされた久保哲朗による委嘱新作(本盤タイトル曲)の2つのオリジナル作品が圧巻だ。(東端哲也)福田進一 大萩康司(以上ギター)西岡沙樹(ピアノ)黒岩航紀(ピアノ) 伊藤万桜(ヴァイオリン) 陬波花梨(サクソフォン)ソル(コスト編):アンクラージュマン/ドビュッシー(福田進一編):アラベスク第1番/ラヴェル(福田編):亡き王女のためのパヴァーヌ/ブローウェル:ミクロピエサス〜ダリウス・ミヨー讃歌/レノン&マッカートニー(ブローウェル編):フール・オン・ザ・ヒル 他マイスター・ミュージックMM-4544 ¥3520(税込)フォーレ:ヴァルス=カプリス第1〜4番、3つの無言歌、即興曲第1〜5番、マズルカ、バラード(ピアノソロ版)、舟歌第1〜13番ナミ・レコードWWCC-8033-4 ¥4400(2枚組)クセナキス:ジョンシェ(藺草が茂る土地)〜109の楽器のための/一柳慧:ヴァイオリンと三味線のための二重協奏曲/杉山洋一:自画像〜オーケストラのための杉山洋一(指揮)東京都交響楽団 NHK交響楽団 新日本フィルハーモニー交響楽団金川真弓(ヴァイオリン) 本條秀慈郎(三味線)収録:2021年8月、サントリーホール 他(ライブ)NEOS/東京エムプラスNEOS 12513 ¥オープン価格ドビュッシー:夢想/ミヨー:組曲 op.157b/ジャン=リュク・ドフォンテーヌ:夢の色彩/久保哲朗:かつて夜の灰色から浮かび出て/ラヴェル:ピアノ三重奏曲128CDCDCDCD
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