eぶらあぼ 2025.8月号
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NHK交響楽団 ©NHKSO首席指揮者 ファビオ・ルイージ ©NHKSO至高の響きが彩る新シーズンが9月開幕!文:飯尾洋一 NHK交響楽団の2025-26シーズンは翌年の創立100周年に向けて弾みをつける一年だ。首席指揮者ファビオ・ルイージを中心に、豪華出演者陣がそろった。以下、月ごとに注目公演を挙げてみよう。 まず、シーズン開幕となる9月は、ルイージ指揮のAプロに期待したい。彼にとって念願のフランツ・シュミットの交響曲第4番が演奏される。かねてよりこの作曲家に情熱を傾けてきたルイージの十八番だ。この日は名匠イェフィム・ブロンフマンとの共演によるベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」も演奏されるとあって人気を呼びそうだ。 10月の指揮者はヘルベルト・ブロムシュテット。Aプロでストラヴィンスキーの「詩篇交響曲」とメンデルスゾーンの交響曲第2番「讃歌」を組み合わせる。ともに宗教的題材による合唱付き交響曲だが、30両曲を並べたプログラムは新鮮。世界最高峰のスウェーデン放送合唱団の共演がうれしい。Cプロではレイフ・オヴェ・アンスネスを独奏に迎えたブラームスのピアノ協奏曲第2番と、同じくブラームスの交響曲第3番が演奏される。研ぎ澄まされたブラームスを体験できるだろう。 11月は8年ぶりにシャルル・デュトワが定期公演に登場する。Aプロのホルストの組曲「惑星」や、Cプロのラヴェル「ダフニスとクロエ」全曲で、N響から精緻なサウンドを紡ぎ出す。Bプロでは気鋭ラファエル・パヤーレがR.シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」を指揮する。かつてデュトワが率いたモントリオール交響楽団の現在の音楽監督だ。 12月はCプロでファビオ・ルイージがニルセンの交響曲第4番「不滅」をとりあげる。ニルセンも近年ルイージが力を入れる作曲家のひとり。さらに第19Orchestra FocusNHK交響楽団定期公演2025-26シーズンの聴きどころ

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