eぶらあぼ 2025.6月号
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6/24(火)19:00 日本製鉄紀尾井ホール問 テレビマンユニオン03-6418-8617 https://www.tvumd.com有吉亮治 ©Satoshi Oono©Taira Tairadateリクライニング・コンサート 第180回 田原綾子(ヴィオラ) & 實川 風(ピアノ)7/4(金)15:00 19:30 Hakuju Hall問 Hakuju Hall チケットセンター03-5478-8700 https://hakujuhall.jp54取材・文:林 昌英文:長井進之介 ソリストとしてはもちろん、室内楽奏者としても非常に信頼の厚いピアニストである有吉亮治。今回のリサイタルはそんな彼の多彩さを実感できる、ソロと協奏曲(弦楽四重奏による伴奏)で構成された内容となっている。 ピアノソロではモーツァルトやベートーヴェンのソナタ、リストの超絶技巧練習曲第11番「夕べの調べ」にラヴェルの「ラ・ヴァルス」が並ぶ、精緻な技巧と幅広い表現力を感じ取れる選曲。とくに最後を飾るラヴェルの作品では、ピアノからオーケストラの音色を紡ぎだす有吉の ソロ活動に加えて多くのアンサンブルで活躍する、若手ヴィオラ奏者の旗手というべき存在の田原綾子が、Hakuju Hallの「リクライニング・コンサート」に出演する。田原のヴィオラとの最初の接点は高校2年生のときだったという。 「5歳からヴァイオリンを始めて、小学生で体験した弦楽アンサンブルが楽しく、当時からファーストよりもセカンドで音を刻むのが好きでした。初めてヴィオラに触れたのは、桐朋の高校2年時に組んだ弦楽四重奏です。最初は大変でしたが、3年で岡田伸夫先生のレッスンを受けると、もう“目から鱗”の連続で。『これがヴィオラだ』、という音を出すための基礎を学べて、『一生ヴィオラを弾いていこう』と決意しました」 それからわずか1年ほど後の2013年、桐朋学園大学1年で東京音楽コンクール優勝。まさにヴィオラの新星として現れた田原は、20代を大車輪の活躍で駆け抜けてきた。その経験を約60分に込める本公演は、田原の公私にわたるパートナーのピアニスト實川風と共に。實川は近年作曲家としても活躍しはじめ、今回は彼の「月の晩」が演奏される。 「邦楽の要素が入っている無伴奏曲で、『ヴィオラからこんな音が出るとは』ピアニズムが存分に発揮されるはずだ。 協奏曲ではヴァイオリンの戸原直・佐々木歩、ヴィオラの佐々木亮、チェロのマルモ・ササキを迎え、モーツァルトの第12番を取り上げる。ピアノとオーケストラの対話が楽しい楽曲だが、室内楽編成で演奏されることにより、その楽しさがより際立ったものとなる。各奏者の技巧と音色も存分に味わうことができるだろう。とコメントをいただくことが多いです。今回はリクライニングで、夢見る感じで聴いていただくイメージです」 「ヴィオラの音色を楽しんでもらいたい」というプログラムは、多彩なキャラクターの5曲を並べた。大きな柱となるのは、もともと大好きな作曲家というシューベルトの「アルペジョーネ・ソナタ」だ。 「最初はエルガーの『朝の歌』で爽やかにあいさつを。『アルペジョーネ』はヴィオラに初めて触れたとき、真っ先に楽譜を入手した曲です。上品なのに歌心があり、すごく芳醇。ヴィオラ奏者にとって大事なレパートリーで、緊張もしますが、すてきな響きのHakuju Hallでぜひ弾きたいと考えました。そして『月の晩』で全然違う音色が入って、コダーイ『アダージョ』は穏やかで深く、ロマンティックでとてもいい曲です。最後はピアソラの『ル・グラン・タンゴ』で勢いや迫力も。映像で見るピアソラは内なる色気があって格好良く、できるだけなりきって弾きたいです(笑)」 なお、前述の高校2年で最初に組んだ4人とは、田原と山根一仁、毛利文香、上野通明。いまや全員トッププレイヤーの超豪華メンバーで、現在もエール弦楽四重奏団として継続している。他の複数の所属アンサンブルも卓越した注目団体ばかりで、良縁を引き寄せる田原の高い実力と明朗な人柄は、この誠実な1時間のプログラムでも伝わるに違いない。Interview有吉亮治 ピアノリサイタル 〜音の彼方へ2025名手揃いのクァルテットと拓く、モーツァルト協奏曲の新たな魅力田原綾子(ヴィオラ)響き合う二つの才能を堪能

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