eぶらあぼ 2025.6月号
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マリオ・ブルネロ ©Giulio Favottoシュロモ・ミンツ ©Andrei Birjukov東京オペラシティシリーズ 第145回6/21(土)14:00 東京オペラシティ コンサートホール問 TOKYO SYMPHONY チケットセンター044-520-1511 https://tokyosymphony.jp53プラチナ・シリーズ第1回 シュロモ・ミンツ(ヴァイオリン) & 東京都交響楽団メンバー 〜ヴィヴァルディ & ピアソラ 2つの四季〜文:青澤隆明文:飯尾洋一 マリオ・ブルネロが指揮すれば、オーケストラは大きなチェロになる。「チェロ、オーケストラと楽器は変わっても、結局は自分自身の声、人生や経験を表現していくことになるのだと思う」とかのイタリアの名音楽家は言うが、伸びやかな天分と冒険心が広大な共感を呼び起こすようにしてオーケストラを歌に満たすのが、指揮者としてもブルネロの最大の魅力となってきた。チェロをいっしょに弾くなら、なおさらだ。紀尾井ホール室内管弦楽団とはお馴染みだし、昨秋の水戸室内管弦楽団に続き、この初夏、東京交響楽団との共演が聴けることになった。 さて、ブルネロが近年とくに情熱をかけて探求してきたのが、ミェチスワフ・ヴァインベルク(1919~96)の音楽である。「これほど深いものを与えられた新しい作曲家はそういない」と称え、「シアトリカルな部分が非常に魅力的だ」と昨秋にも語っていた。4作 すぐれた音響で知られる東京文化会館小ホールにトップレベルのアーティストを招く「プラチナ・シリーズ」。8月9日の第1回公演では名ヴァイオリニスト、シュロモ・ミンツが登場し、東京都交響楽団メンバーによる弦楽アンサンブルと共演する。早くから国際的な名声を確立し、ベルリン・フィルやウィーン・フィルなど著名なオーケストラと共演を重ねてきたミンツも、今や大ベテランとなった。ヴィヴァルディとピアソラのふたつの「四季」で円熟の境地を披露する。弦楽アンサンブルの中心となる都響の第1ヴァイオリン奏者、及川博史はミンツの愛弟子。師弟の共演だ。 春夏秋冬を題材にした楽曲は少なくないが、その筆頭に挙がるのは、なんといってもヴィヴァルディの「四季」だろう。それぞれの季節の情景が描写的な音楽によって、生き生きと表現される。ミンツの美音が最大限に生かさの無伴奏ソナタの録音もまとめているが、今回は水戸でも採り上げたチェロ・コンチェルティーノop.43bisとシンフォニエッタ第2番 op.74に再び取り組む。 「ヴァインベルクとショスタコーヴィチとは互いに影響を与え合った友人どうし」とみるブルネロが、もう一曲弾き振りするのがシューマンのチェロ協奏曲、これに今年で没後50年となるショスタコーヴィチが編曲の手を加え、自らのop.125としてロストロポーヴィチに献呈した版で採り上げる。ハイドンのト長調交響曲「軍隊」と合わせて、古典、ロマン派から、1960年代にいたる壮大な音楽の旅が織りなされる。れるにちがいない。奏者によってさまざまなスタイルによる演奏が可能な作品であるが、ミンツはどんな「四季」を奏でてくれるだろうか。 もうひとつの「四季」は、ピアソラによる「ブエノスアイレスの四季」。もともとはバンドネオンを含む五重奏のために書かれたタンゴ作品だ。ギドン・クレーメルがヴィヴァルディの「四季」と合わせて『エイト・シーズンズ』として発表したことから、クラシック音楽界でも広く知られるようになった。クレーメルをはじめ、よく使われるのはデシャトニコフ編曲版だが、今回用いられるのはファビアン・ベルテロ編曲版。ひと味違った、南半球の「四季」を体験したい。8/9(土)15:00 東京文化会館(小)問 東京文化会館チケットサービス03-5685-0650 https://www.t-bunka.jpマリオ・ブルネロ(指揮/チェロ) 東京交響楽団チェロとタクトで誘う、古典から現代にいたる音楽の旅路円熟を深める名手が描き出す季節の音風景

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