第89回 定期演奏会 7/26(土)14:00 東海市芸術劇場問 愛知室内オーケストラ052-211-9895 https://ac-orchestra.com左より:原田慶太楼 ©kumiko suzuki/山本直人 ©Ayane Shindo/マーク・ダモラキス ©Gray Adams左より:エマニュエル・パユ ©Anoush Abrar/アンドレアス・オッテンザマー ©Halina Jasinska/ラ・フォンテヴェルデ/鈴木秀美 ©K.Miura64文:八木宏之 愛知室内オーケストラ(ACO)の第89回定期演奏会では、戦後のアメリカを代表するふたりの作曲家、ジョン・ウィリアムズとジョン・コリリアーノの協奏曲に、シューベルトの溌剌とした歌謡性を堪能できる交響曲第3番を組み合わせたプログラムが披露される。指揮を務めるのはACO首席客演指揮者兼アーティスティック・パートナーの原田慶太楼。コンチェルトのソリストには、ACO首席客演オーボエ奏者の山本直人とクリーヴランド管弦楽団首席打楽器奏者のマーク・ダモラキス、ふたりの名手が登場する。 神戸に新たな音楽祭「KOBE国際音楽祭」が誕生する。4年に1度開催される「神戸国際フルートコンクール」を核として、国内外のトップアーティストや地元演奏家たちによる約100公演が、7月中旬から9月中旬にかけて、市内各地で開催される。多彩なプログラムのなかから、注目公演を挙げてみたい。 まず、音楽祭の開幕を飾るのは「エマニュエル・パユ プロデュース KOBE国際音楽祭2025 オープニング・コンサート」(7/12)。ベルリン・フィルの首席奏者であり世界最高のフルート奏者として不動の人気を誇るパユが登場する。パユは神戸国際フルートコンクール第2回で第1位を獲得しており、かねてよりこの街との縁は深い。神戸市室内管弦楽団と共演するにあたって、パユが指揮者に指名したのはアンドレアス・オッテンザマー。ベルリン・フィル首席クラリネット奏者から指揮者に転身したかつての同僚だ。イベールのフルート協奏曲、モーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」他が演奏される。さらに 原田はウィリアムズのオーボエ協奏曲を「オーボエという楽器の可能性を最大限に引き出す、人間味あふれる音楽」だと語る。またコリリアーノの打楽器協奏曲「奇術師」では、「打楽器の世界の無限の可能性を、木、金属、皮という3つの素材を通して探求する」という。現代アメリカ音楽の深い抒情性とシューベルトの素朴で実直な歌心とのコントラストを存分に楽しみたい。第10回神戸国際フルートコンクール第3位の石井希衣、第8回同コンクール第3位の竹山愛も出演して花を添える。 一風変わった音楽風刺劇《オスペダーレ》(演奏会形式)も見逃せない(7/26)。こちらは神戸市出身のソプラノ歌手・鈴木美登里が率いる声楽アンサンブルのラ・フォンテヴェルデが2023年9月に東京で復刻・日本初演を行ったイタリア17世紀のコメディ。音楽学者・松本直美がヴェニスの図書館で発見した作者不詳の楽譜をもとにした上演で、医者のもとを恋わずらい、愚か者、官吏、貧者が順に症状を訴えて、治療法を告げられるという筋立てを持つ。現代にも通じるテーマを扱ったコメディだ。ラ・フォンテヴェルデにバロック・ハープの伊藤美恵、チェロの鈴木秀美、チェンバロの上尾直毅が加わる。7/12(土)~9/14(日)神戸文化ホール、西神中央ホール、神戸朝日ホール、神戸新聞松方ホール、神戸酒心館ホール 他問 神戸市民文化振興財団 事業部 フルートコンクール事業課078-361-7930https://www.kobe-bunka.jp/ongakusai/ そのほか、フラウト・トラヴェルソの柴田俊幸とフォルテピアノのアンソニー・ロマニウクのコンビは酒蔵を改装したホールで「発酵する古楽」と題した意欲的な公演を開く(8/23)。バッハから坂本龍一まで、プログラムは縦横無尽。関西のバロック音楽シーンをリードしてきたテレマン室内オーケストラは、バッハのブランデンブルク協奏曲全曲をとりあげる(7/19)。ギターの荘村清志とフルートの工藤重典の重鎮デュオは、古典とスペイン音楽を組合わせる(7/17)。第11回神戸国際フルートコンクール スペシャルナイト・ガラ(9/5)では、ティモシー・ハッチンスやアンドレア・オリバらコンクール審査員に加え、運営委員長の神田寛明が出演。スーパープレイヤーたちの夢のコラボレーションが実現する。原田慶太楼(指揮) 愛知室内オーケストラ名手たちと挑むアメリカ現代音楽の極致KOBE国際音楽祭2025この夏、フルートコンクールのまち神戸でスタートするフェスティバル文:飯尾洋一
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