eぶらあぼ 2025.5月号
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5/25(日)14:00 岐阜/サラマンカホール問 サラマンカホール・チケットセンター058-277-1110 https://salamanca.gifu-fureai.jp5/2(金)18:30 旧東京音楽学校奏楽堂問 東京コンサーツ03-3200-9755 https://www.tokyo-concerts.co.jp5/30(金)19:00 京都/青山音楽記念館バロックザール6/1(日)19:00 東京/ムジカーザ問 日本楽友協会03-6277-8559https://www.jmassoc.info□□藤木大地 ©hiromasa趙 磊荘村清志 ©良知賀津也湯 暁風63をもう一度文:飯田有抄文:室田尚子文:長井進之介 J.S.バッハやベートーヴェン、そして現代音楽を主軸に理知的なピアノ演奏を届ける近藤伸子が、この5月から新しいコンサート・シリーズ「歴史的建築物で聴くバッハ」をスタートする。記念すべき第一回の建築物は、1890(明治23)年に東京音楽学校(東京藝術大学の前身)の校舎として建設された旧東京音楽学校奏楽堂である。日本最古の洋楽ホールとして知られる奏楽堂は、日本で初めて本格的なオペラが上演されたホールであり、1988年には重要文化財に指定され、保存・活用されている。 八面六臂の活躍を続けるカウンターテナー藤木大地と、クラシックギターの第一人者である荘村清志が、荘村の故郷である岐阜のサラマンカホールで、日本の歌を集めたコンサートを開く。 もともと2021年の東京・春・音楽祭で披露し大好評を博したプログラムがもとになっているこの企画。武満徹のソングから〈朧月夜〉などの懐かしい日本歌曲、また〈神田川〉〈なごり雪〉〈時代〉などフォークソングやポップスまで幅広いジャンルから選曲されている。コンサートのタイトル“あの素晴らしい愛(うた) 趙磊(ツァオ・レイ)は上海民族楽器コンクール優勝をはじめ、数多くの受賞歴をもち、中国で最も注目を集めている二胡奏者の一人である。“二胡は二弦の楽器だが、可能性は「無限」である”という信念のもと、クラシック音楽やジャズ、タップダンスに雅楽など、ジャンルを超えて様々なアーティストと共演を重ねてきた。今回の公演には、昨年の共演が話題を呼んだ琵琶奏者の湯暁風(タン・シャオフォン)、そしてピアニストの入谷早紀を迎える。 京都と東京の2公演が決定してお このホールで、今回近藤が演奏するのは、まさに音楽の建造物とも言えるJ.S.バッハの「フーガの技法」全曲である。複数の旋律を重ね、立体的に構築してゆく対位法を追求したバッハ晩年の作品で、抽象的な美しさを宿した傑作だ。洋楽受容の黎明期にも思いを馳せながら、近藤伸子の知性と感性の光る演奏と、深淵なバッハの宇宙に浸りたい。をもう一度”からもわかるように、いずれもこの日本で長く愛され、歌い継がれている「うた」ばかりだ。藤木にとってはリアルタイムでは知らないナンバーが多いが、「その時代の演奏者の胸を借りて」という意味で荘村は「究極のパートナー」だと語る。心の奥底に染み込むようなカウンターテナーの歌声に、柔らかく語りかけるようなギターの音色が重なっていく景色が今から楽しみだ。り、当日は「天山風情」や「平沙落雁」といった二胡と琵琶における重要曲のほか、モンティの「チャールダーシュ」などの超絶技巧を味わえる作品、今回のアンサンブルだからこその特別な響きによる映画音楽なども披露される予定。「東洋のヴァイオリン」とも評される艶やかさが魅力の二胡、郷愁を誘い、多彩な音響効果も生み出す琵琶の音色を存分に味わえるコンサートとなりそうだ。近藤伸子ピアノリサイタル – 歴史的建築物で聴くバッハ I知的なアプローチで挑む「フーガの技法」藤木大地(カウンターテナー) × 荘村清志(ギター) あの素晴らしい愛クラシックギターと紡ぐ懐かしき日本のうた二胡と琵琶の饗宴中国伝統楽器の妙技と味わいをたっぷりと

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