©Abby Mahler松田華音 ©Ayako Yamamotoミハイル・プレトニョフ ©上野隆文第1016回 オーチャード定期演奏会5/11(日)15:00 Bunkamura オーチャードホール第1017回 サントリー定期シリーズ 5/13(火)19:00 サントリーホール第170回 東京オペラシティ定期シリーズ5/19(月)19:00 東京オペラシティ コンサートホール問 東京フィルチケットサービス03-5353-9522 https://www.tpo.or.jp50文:鈴木淳史文:山崎浩太郎 ピアノ独奏と比べるとオーケストレーションが弱いと言われるショパンのピアノ協奏曲。伴奏に終始しがちなオーケストラ・パートに手を入れることで、ピアノとのより活発な対話を可能にしたのが、ミハイル・プレトニョフによる新版だ。 その版によるショパンのピアノ協奏曲第1番が、プレトニョフ本人の指揮で東京フィルの定期公演に登場する。ピアノ独奏は、6歳でロシアに渡り、イワーノワやヴィルサラーゼに学んだ松田華音だ。東京フィルとの共演では、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を弾き、その重量感ある演奏は高く評価された。今回も、オーケストラと繊細なやり取りを交わしながら、スケール感を伴ったショパンを奏でてくれるだろう。 プログラムの後半は、チャイコフスキーのバレエ『眠れる森の美女』からの抜粋版が演奏される。こちらもプレトニョフ本人の手が入った特別編集版 結成10年にして、クァルテット・インテグラがベートーヴェンの弦楽四重奏曲16曲のツィクルス(全6回)を開始する。 日本から世界へと雄飛することが期待される彼らは現在、ロサンゼルスのコルバーン・スクールにレジデンス・アーティストとして在籍しながら、演奏活動を行っている。 第一生命ホールでは、今年の1月まで3年にわたり3大Bのシリーズを行い、好評を博した。これはブラームスの3曲の弦楽四重奏曲をメインに、ベートーヴェンとバルトークの第1~3番をそれぞれに組み合わせるという、意欲的なプログラムだった。2024年の第2回、つまり3曲の第2番のときには、直前にチェロがパク・イェウンに交代したばかりで手さぐりな部分もあったものの、ベートーヴェンでは伸び伸びと軽快な曲調を見事に表現した。温かみのある響きと存在感をもつパクは、技術も音楽性も申し分ないことを示し、このクァルテットに新たなだ。2022年6月の定期公演では、同じ趣向で『白鳥の湖』を演奏した。通常演奏される組曲版とは一線を画した、彼ならではの美意識で構成された交響詩風のユニークなアプローチ。今回も、発見に満ちたチャイコフスキーを聴かせてくれるだろう。 2015年の特別客演指揮者就任以来、10年以上にわたって定期演奏会に登場し続けるプレトニョフ。ピアニストや指揮者としての可能性が展けることを予感させた。 それから1年、緊密度を高めた4人が、6年をかけてベートーヴェン全曲の高峰に挑む。 スタートに選んだのは、第1番と第16番、そして第10番「ハープ」。最初6/6(金)19:00 第一生命ホール問 トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702 https://www.triton-arts.net他公演 6/1(日) 愛知/宗次ホール(052-265-1718) 6/8(日) 神奈川/フィリアホール(045-982-9999)実力はもちろんのこと、今回の編曲などを含め、演奏会全体をクリエイトするマルチな才能にも改めて注目したい。と最後、そして中期の1曲という、16曲全体を俯瞰させる3曲だ。音の鮮度がとびきり高く、火花を散らすような集中力で聴く者を惹きつける若者4人のツィクルスは、どんなものになるか。まずは、ここからだ。ミハイル・プレトニョフ(指揮) 東京フィルハーモニー交響楽団マエストロ自身の編曲で描く名作の新たな景色クァルテット・インテグラ ベートーヴェン・ツィクルスI(全6回)弦楽四重奏の聖典に結成10年で挑む
元のページ ../index.html#53