eぶらあぼ 2025.4月号
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左より:周防亮介 ©JUNICHIRO MATSUO/髙木竜馬 ©Yuji Ueno/アレクサンドル・メルニコフ ©Julien Mignot/クァルテット・インテグラ ©Abby Mahler左より:小沼ようすけ、沖 仁、大萩康司 ©Kazumasa Harada今藤長龍郎 ©ヒダキトモコ篠崎史紀 ©井村重人70周防亮介(ヴァイオリン) 6/21(土)15:00 4/16(水)発売アレクサンドル・メルニコフ(ピアノ) × クァルテット・インテグラ(弦楽四重奏)7/5(土)15:00 4/16(水)発売沖 仁(フラメンコ・ギター) × 大萩康司(クラシック・ギター) × 小沼ようすけ(ジャズ・ギター)“TRES” 12/20(土)15:00 9/19(金)発売共鳴する音楽会 2026.2/8(日)14:00 11/7(金)発売北九州市立響ホール問 響ホール音楽事業課093-663-6661 https://www.hibiki-hall.jp※各公演の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。北九州市立響ホール 2025年度 響シリーズの聴きどころ各界のトップ・アーティストの至芸を720席の親密な空間で味わう文:山崎浩太郎スクワ生まれのメルニコフは生地の音楽院で正統的なロシアのピアノ奏法を学んだ一方で、ドイツ・ロマン派の音楽の名手でもある。今回はそのなかからブラームスのソロ曲とピアノ五重奏曲を演奏する。 共演するのは、若手ながら現代日本を代表するほどの実力と人気を誇る弦楽四重奏団、クァルテット・インテグラ。シャープで緊迫感に満ちた演奏を得意とする彼らが、メルニコフとのコラボでどんなブラームスを聴かせるか。また全曲演奏に取り組みはじめたベートーヴェンの弦楽四重奏曲から、最後の第16番を聴けるのも嬉しい。 3回目は12月20日、フラメンコ・ギターの沖仁、クラシック・ギターの大萩康司、ジャズ・ギターの小沼ようすけ、互いにジャンルの異なるギターの名手3人により結成された「TRES(トレス)」だ。 「TRES」とはスペイン語で「3」という意味。2020年に初共演して話題を呼び、4年後には初のツアーも実現するなど共演を重ねている。 同じアコースティック・ギターでも、レパートリーはもちろん、奏法も音も異なる3人の妙技を聴きくらべ、見くらべることのできる、贅沢な午後となる。それぞれのソロと、編曲にも趣向をこらした競演を楽しんでほしい。 最後は2026年2月8日、クラシックの音楽家と邦楽の奏者による「共鳴する音楽会」。これは響ホールと、クラシック用と邦楽用の二つの音楽専用ホールを持つことで知られる、東京の日本製鉄紀尾井ホールとの共同主催となるものだ。 長唄三味線の今藤長龍郎をはじめ、尺八や三絃、箏などの名手たちと共演するのは、北九州市出身の二人のクラシック音楽家。NHK交響楽団特別コンサートマスターをこの3月までつとめたヴァイオリンの篠崎史紀と、全日本学生音楽コンクール北九州大会の中学校の部で優勝したピアノの鈴木れあである。東西の伝統音楽の共鳴を楽しもう。 さまざまなジャンル、さまざまな楽器の奏者たちが、多彩な響きを奏でる「響シリーズ」。どんなハーモニーが生まれるだろうか。 1993年にオープンした北九州市立響ホールは、客席数720の音楽専用ホールだ。ガラスや耐火レンガなど、北九州市に縁の深い素材を用いた独自の内装と、優れた音響で知られている。北九州国際音楽祭とともに、主催公演の柱となるのが、年度内に4回行われる「響シリーズ」だ。これまでの「響ホールリサイタルシリーズ」に代わって、さまざまな編成やスタイルの音楽を、一流の演奏で紹介するものである。 2025年度の初回は6月21日の周防亮介(ヴァイオリン)だ。内外の数々のコンクールでの優勝や入賞の実績を持ち、艶やかな美音と高いテクニックで活躍中の周防の、九州では初となるリサイタルだ。曲目のメインは、フランクとR.シュトラウスのヴァイオリン・ソナタ2曲。どちらもロマン派らしい豊かな響きをもち、ピアノが活躍することでも知られる。 そのピアノが髙木竜馬であることも、このリサイタルの大きな魅力だ。ウィーン国立音楽大学と同大学院で学んだ彼は、2018年の第16回エドヴァルド・グリーグ国際ピアノコンクールで優勝するとともに聴衆賞も受賞し、脚光を浴びた。ソリストとしても多忙なこの髙木が、周防と共演する。平成生まれの俊英二人がどんなデュオを聴かせてくれるのか、期待は大きい。 続いては7月5日に行われる、アレクサンドル・メルニコフ(ピアノ)× クァルテット・インテグラ(弦楽四重奏)だ。モ

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