→C 三村梨紗(トランペット)□□□□□□□©Ayane Shindo©堀田力丸56取材・文:山田治生文:柴田克彦 東京オペラシティの「B→C」にトランペットの三村梨紗が登場する。三村は、東京音楽、日本音楽、日本管打楽器の各コンクールをいずれも初挑戦で制覇した超逸材。東京藝大を卒業後、名手マティアス・ヘフスのもとで学ぶべくドイツへ留学し、現在もハンブルクで師事しながら各地のオーケストラ(日本でも読響等と共演)で演奏を重ねている。 そこで今回は「教会での演奏をはじめとするドイツでの経験を活かしたプログラム」を用意。バロックから現代に至る多彩な楽曲を披露する。注目点は、ピッコロ、ロータリー、ダブルベルの 原田幸一郎80歳記念コンサートが6月15日に日本製鉄紀尾井ホールで開催される。多数の原田門下生たちが参加する盛り沢山の内容だ。第1部で原田は、ブラームスとベートーヴェンの弦楽四重奏を演奏する。共演は、元東京クヮルテットの池田菊衛と磯村和英、そしてチェロの毛利伯郎。 「ブラームスの第2番は、ミュンヘン国際コンクールの課題曲で、優勝後すぐにドイツ・グラモフォンに録音しました。今回は、サントリーホール室内楽アカデミーでよく一緒に演奏している仲間たちと弾きます。ベートーヴェンの第16番は齋藤秀雄先生が大好きだった曲。先生のことを思い出します。 東京クヮルテットには12年ほどいました。ミュンヘンで優勝した次の年から1年間に100回以上のコンサートで演奏し、ありとあらゆるレパートリーに取り組みました。そんな弦楽四重奏団は日本では初めてでしたし、今もありません。旅行ばかりの日々でした」 そして第2部では門下生たちがブラームスの弦楽六重奏曲第1番、チャイコフスキーの弦楽六重奏曲「フィレンツェの思い出」、メンデルスゾーンの弦楽八重奏曲など大きめの編成の室内楽曲を演奏する。 「神尾真由子さんと神谷美千子さんが(門下生たちに)声をかけて、誰が何各種トランペットを使い分けること。中でもベルが2つあり、それぞれ音の出る方向が変えられるダブルベル・トランペットは、へフス氏も演奏して皆を驚かせているレアな楽器ゆえに、それが用いられるケルシェック作品と中橋祐紀への委嘱新作に熱い視線が注がれる。またバッハのカンタータではソプラノの森野美咲も共演。ピアノの下田望ともども共演者への期待も大きい。ここは師譲りの確かな技術とまろやかで美しい音色を持つ新星の妙技を体感したい。を弾くかも考えてくれました」 神尾、神谷のほか、南紫音、辻彩奈、正戸里佳、MINAMI、外村理紗、前田妃奈、竹内鴻史郎、周防亮介ら、オールスター・キャストである。 「東京クヮルテットを辞めてから、クリーヴランド音楽院、東京音楽大学、桐朋学園で教えてきました。教える立場として、才能豊かな人たちが来てくれて、幸運だったと思います。芸術的には完璧を求めますが、なるべく型にはめないで、それぞれの持ち味を活かし自由に弾かせるようにしています。 室内楽では具体的にどうアプローチすればよいかを教えています。日本はソロばかりに目が行って、室内楽に関しては遅れていますね。ニューヨークに行くとヴァイオリンのリサイタルは少なくなっていますが、室内楽は盛んなことがわかります。また今は、オーケストラに入るのもたいへんです。学校でもっとオーケストラで演奏するための勉強をしなくてはなりません。時代が変わってきているので、そろそろ日本も変わらないと。MINAMIさんのベルリン・フィルでのトライアル開始を聞いて、本当にうれしかったです」 第3部ではさらに、小川響子、崎谷直4/15(火)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール問 東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999https://www.operacity.jp人、東條太河、林悠介、毛利文香、吉江美桜らも加わった弦楽オーケストラを相手に、チャイコフスキーの弦楽セレナードで指揮を執る。 「最後に全員でチャイコフスキーの弦楽セレナードを演奏します。弦楽合奏曲では一番有名な作品。みんな弾いたことがあるでしょうし、僕も桐朋学園時代、さんざん弾きました。ヴァイオリンは全員、ヴィオラも大半を教えました。上手な人ばかりですので、良いアンサンブルになると思います。きっと楽しい演奏会になりますので、ぜひ、たくさんのお客様に来ていただきたいですね」原田幸一郎80歳記念コンサート 6/15(日)13:30 日本製鉄紀尾井ホール問 アスペン03-5467-0081 https://www.aspen.jp東京オペラシティ Bダブルベル・トランペットの演奏にも注目!Interview原田幸一郎(指揮/ヴァイオリン)超豪華!門下生たちが集い、恩師の傘寿を祝う
元のページ ../index.html#59