©Kir Simakovジョナサン・ノット ©T.Tairadate/TSO第729回 定期演奏会 4/5(土)18:00 サントリーホール問 TOKYO SYMPHONY チケットセンター044-520-1511 https://tokyosymphony.jp57ジョナサン・ノット(指揮) 東京交響楽団ブルックナー8番の再演でラストシーズンの幕をあけるジョージ・ハリオノ ピアノリサイタル名門コンクール第2位の妙技を“クラシック音楽の殿堂”で味わいつくす文:飯田有抄文:林 昌英 ジョナサン・ノットと東京交響楽団が、最後のシーズンを迎える。音楽監督として2014年以来、多くの挑戦と成果を重ねてきて、コロナ禍も新たな試行の場にするなど、彼のモットーである“Take a risk!”を地で行く攻めの姿勢で走り続けてきた。 その集大成となる12年目のシーズンは、初めて聴かせる大曲とこれまで取り上げてきた重要作の再演で構成される。その劈頭を飾る4月初旬の定期は、後者を代表する演奏会で、演目はブルックナーの交響曲第8番、1曲のみ(稿・版の明記は1月末時点で無し)。 ブルックナー生誕200年だった昨年ではなく、あえてこのタイミングにしたのは、オーケストラ史に輝く重要作であり、コンビネーションの成果を示す集大成としてもふさわしい内容をもつからに違いない。両者は本作を2016年に取り上げて、胸の熱くなる名演が実現しており、そのときのライブ録音CDもリ 第17回チャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門第2位に輝いたジョージ・ハリオノ。2024年秋のコンチェルト日本デビューに続き、早くもサントリーホールへの再登場が決定している。昨年は一夜で2曲の協奏曲を演奏し、客席から熱烈な喝采を浴びたハリオノであったが、今回はソロ・リサイタルでたっぷりと自身のピアニズムを披露する。その魅力を十分に伝えてくれるであろう、時代・曲想ともにバラエティに富んだプログラミングに注目したい。ベートーヴェンの「月光ソナタ」に始まり、リストの「超絶技巧練習曲」から〈マゼッパ〉など3曲、後半にはショパンのバラード第1・2番とノクターンの第13番。そして締めはストラヴィンスキーによる閃光迸る名作、「火の鳥」組曲となっている。 なにしろテクニックに関しては、どんな作品に対しても余裕をもって臨めるハリオノ。その有り余る音楽性は、個々リースされた。コンビ初のライブ・レコーディングだったとのことで、当時のノットが関係性に自信を深めた証でもあった。 その大切な1曲を、最後のシーズンの最初に再び奏でる。東京交響楽団の演奏水準がどれほど上がったか、表現の幅が広がり、深まったか。そしてノット自身も、10年以上の共演を経ていかに変化し、深化したか。それを示すのは、圧倒的な感動を約束するブルックナーの80分の名作。その意味についてこれ以上言葉を重の楽曲に隠された美質を彫琢して浮かび上がらせる。抒情的でありつつも、ディティールまで洗練された颯爽たる演奏で、いずれの作品についても新しい音楽像を示してくれるはずだ。 当日会場では、昨年の協奏曲(チャイコフスキー1番&ラフマニノフ2番)コンサートのライブ録音を収めたファースト・アルバムが先行販売される(初回プレス盤のみの特別ジャケット付き)。コンサートの余韻に3/30(日)13:00 サントリーホール問 MIYAZAWA & Co. info@miy-com.co.jp https://miy-com.co.jpねるのも無粋というものだろう。ラストの巨大な「ミレド!」の響きが消えるまで、ひたすらに浸りたい。浸りながら、家でもCDで“ハリオノ祭り”を堪能しよう。
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