7/13(日)14:00 サントリーホール 2/28(金)発売問 日経公演事務局03-5227-4227 https://art.nikkei.com©Peter Adamikオーケストラ・アンサンブル金沢 オール・ベートーヴェン プログラム3/22(土)14:00 茅ヶ崎市民文化会館3/23(日)14:00 山梨/YCC県民文化ホール問 オーケストラ・アンサンブル金沢076-232-0171 https://www.oek.jp40Interview広上淳一(オーケストラ・アンサンブル金沢 アーティスティック・リーダー/指揮)ゆかりの地で指揮する伝統のオール・ベートーヴェンベルリンフィル12人のチェリストたち 結成50周年記念公演名手たちが奏でる至高のアンサンブル取材・文:池田卓夫文:片桐卓也 オーケストラの低音域を支え、人間の声で言えばバリトンに最も近いとされるチェロ。しかし、実際の演奏を聴くと、より幅広い音域を持っていることがわかる。それが12人の奏者によって演奏される時、さらに豊かな響きの世界が展開される。世界トップのオーケストラ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のチェロ奏者で構成される「ベルリンフィル12人のチェリストたち」は結成から50年を超え、世界中を魅了している。 日本公演は7年ぶり。結成のきっかけとなったクレンゲル「讃歌」、ドヴォルザーク、ドビュッシーなどのクラシック 広上淳一が、アーティスティック・リーダーを務めるオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)と3月、実質「故郷」の神奈川県茅ヶ崎市(22日、茅ヶ崎市民文化会館)と「地元」の山梨県甲府市(23日、YCC県民文化ホール)を訪れ、「プロメテウスの創造物」序曲と交響曲第4番&第7番からなるベートーヴェン・プログラムを指揮する。 茅ヶ崎は「転勤族の息子で小学校、中学校をそれぞれ3回転校した自分を市立松浪中学校の先生や生徒の皆さんが“湘南の風”に包んで温かく迎えてくださり、再生を果たせた場所です。吹奏楽部に所属しながら将来の目標を音楽家、指揮者へと定めることができた原点でもあります」といい、1974年から2023年の50年を過ごした。 「素晴らしいホールもあるので『死ぬまでに一度、茅ヶ崎で指揮したい』と願っていましたが、67歳となる今年、ついに実現します。同級生から届く『チケット買ったよ』のメールが何より、うれしいですね」 一方の山梨県は「6年前に北杜市清里に自宅を建てたので、現在の地元に当たります」。OEKは山梨県内で演奏したことはあるが、県庁所在地の甲府市では「初公演」という。 「満天の星をあおぎつつ、人間の素朴名曲のアレンジはもちろん、J.ウィリアムズの『シンドラーのリスト』メインテーマ、バーンスタインの『ウェスト・サイド・ストーリー』など映画の名曲、そしてピさと自然の素晴らしさにあふれた山梨県の皆さんにもOEKの魅力を伝え、可愛がっていただきたいですね。その反響を“おみやげ”に金沢へ戻り、能登半島の復興支援に向き合う日常の糧にもしていきたいと思います」 2公演共通の曲目を「オール・ベートーヴェン」としたのは「OEKでは創立者の岩城宏之さん以来、井上道義さん、マルク・ミンコフスキさん…と歴代シェフが交響曲の全曲演奏会に取り組んできた伝統も踏まえた結果」だという。広上も2022、23年の2年連続、東京文化会館で岩城宏之メモリアル・オーケストラと共演、大晦日1日で全9曲を指揮するなど、ベートーヴェンは早くからレパートリーの中核をなす作曲家だ。 第4番と第7番は「サイズ的にも精神的にも、オーケストラと聴衆双方の負担が少なく、音楽的な対照も描きやすい」とされ、広上以外の指揮者の多くアソラや日本民謡(三枝成彰編)も含む楽しいラインナップ。オーケストラの1セクションとして弾く時とは違う彼らの生き生きとした姿を見るのも楽しみだ。も好む組み合わせ。今回は8型(第1ヴァイオリン8人)の完全な室内オーケストラ編成で、水谷晃がコンサートマスターを務める。 広上は「大編成とは異なる丁寧なアプローチを通じてある意味、ジオラマを見るように細やかな楽しみ方をしていただければ」と語り、「室内オケの名刺代わりに『プロメテウス』の可愛らしい序曲も演奏します」。
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