eぶらあぼ 2025.3月号
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マーチングバンド全国大会にてVol.31 福岡大学附属大濠高等学校吹奏楽部 福岡県福岡市、大濠公園近くに位置する福岡大学附属大濠高校。まるで大学や病院を思わせる巨大な校舎がある学校だが、約100人の部員を擁する大濠高校の吹奏楽部には「3つの顔」がある。 1つは吹奏楽コンクールに挑む「座奏の顔」。2つ目はマーチングコンテスト(全日本吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)に挑む「パレコン(パレードコンテストの略)の顔」。そして、マーチングバンド全国大会(日本マーチングバンド協会主催)に挑む「ショーの顔」だ。 この3つの大会以外にもコンクールやイベント出演が多数あり、吹奏楽部は常に大忙しだ。 中でも大濠高校といえばマーチングのイメージが強い。マーチングコンテストではこれまで「熱闘甲子園」「大濠杯ダービーステークス」「怪盗大濠からの予告状」といったコミカルでユーモアたっぷりの演奏・演技が話題となり、ファンも多い。 顧問の定松理沙先生いわく「全力でふざけるマーチング」。他校ではやらない大濠高校だけの個性だ。2024年はコミカルさを抑え、樽屋雅徳作曲《マゼランの未知なる大陸への挑戦》に合わせて「パイレーツ・オブ・ホリビアン」(あの海賊映画がモチー34フ)を披露。九州大会で金賞に輝いた。 一方、昨年12月にさいたまスーパーアリーナで開催されたマーチングバンド全国大会には12年連続となる21回目の出場を果たした。 ショーのテーマタイトルはラテン語で太陽を意味する「SOL(ソル)」。太陽のように輝く球体が上手(かみて)側=東から現れ、美しいサウンドと華麗な演技で祝祭のようなマーチングが続いた末、太陽は下手(しもて)=西へと沈んでいく。途中、フロアに置かれたチューバを回転させながら肩に担ぎ上げる大濠名物のチューバ回しも取り入れられ、巨大な会場を熱く湧き上がらせるショーとなった(審査結果は銀賞)。♪♪♪「3つの顔」を持つ吹奏楽部の多忙で楽しい青春!取材・文・写真:オザワ部長(吹奏楽作家)

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