遠藤真理 ©Yuji Hori鈴木優人 ©読響ジョヴァンニ・ソッリマ ©SHOBHA原田莉奈青島周平山根風仁 ©John Cooper本田ひまわり60文:柴田克彦文:近松博郎 3月の読売日本交響楽団マチネーシリーズでは、鈴木優人、ジョヴァンニ・ソッリマという二人のカリスマが競演し、聴く者を熱狂へと誘う。鈴木は、指揮者及び鍵盤楽器奏者として、古楽、モダンの双方でマルチな才能を発揮。特に「指揮者/クリエイティヴ・パートナー」の肩書きを持つ読響では、多様なレパートリーで清新な演奏を聴かせている。1962年イタリア生まれのソッリマは、世界トップ級のチェロ奏者兼作曲家。ムーティ、アバド等の巨匠に認められた彼はその両面で活躍し、100人のチェリストが居並ぶ「100チェロ」といった大胆な企画でも、聴衆の度肝を抜いている。 プログラム前半は、一柳慧のオーケストラのための「共存」、ソッリマの「多様なる大地」(日本初演)、同じく「チェロよ、歌え!」が続く現代もの。まずは、現代音楽にも造詣が深く、しかもそれを明快に聴かせる鈴木の持ち味が発揮される。ソッリマの作品はクラシックか 文化庁の新進芸術家海外研修制度で選抜され、外国で学んだ若き音楽家たちの豪華競演。高関健指揮の東京シティ・フィルとともに研修の成果を披露する。 オルガンの本田ひまわりはフランスでもっともオルガンの数が多いとされるアルザス地方のストラスブール地方音楽院で学んだ。今回はイタリアのオルガニスト兼作曲家のM.E.ボッシ(1861~1925)による壮麗な協奏曲を取り上げる。本作を生で聴ける機会自体が稀であり非常に楽しみだ。 原田莉奈はベルリン芸術大学マスターピアノソリスト科に在学中。第26回アルトゥール・シュナーベルコンクール第2位(1位無し)入賞など、正統派としての実績を積んでいる。本公演ではモーツァルトのピアノ協奏曲の中でも人気の高い第23番を弾く。端正かつ優美な名曲への真摯な取り組みに期待。 パリ国立高等音楽院のピアノ科、伴らジャズやロックまで幅広い要素が融合した独特のテイストを持っているし、チェロ演奏は鋭く激しくパッショネイト。ここは当然それらの魅力も堪能できる。また代表作「チェロよ、歌え!」では、ソッリマと読響ソロ・チェロ奏者の遠藤真理が共演。抒情的かつ激烈なソロの応酬も大きな見せ場となる。後半は、リズムが弾むお馴染みの名作、ベートーヴェンの交響曲第7番。同曲では、古楽の経験を踏まえた鈴木のアプローチが、新鮮な躍動感や高揚奏科、エクリチュール科で学んでいる青島周平も注目のピアニストだ。複数のコンクールで入賞歴を重ねており、今後もピアノと作曲の両面から曲の本質に鋭く迫るアプローチに磨きをかけていくはずだ。演奏曲はプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番。 山根風仁は英国王立スコットランド2/27(木)19:00 東京オペラシティ コンサートホール問 ヴォートル・チケットセンター03-5355-1280 https://www.orchestra.or.jp感をもたらすに違いない。 かように全てがエキサイティングな本公演。鮮烈なリズムと熱いクライマックスを存分に体験しよう。音楽院修士課程を経てブリュッセル王立音楽院ポストグラデュエート課程を修了した知性派のチェロ奏者。ベルギーではロマン派以降の歴史的演奏解釈を研究したという。シューマンのチェロ協奏曲の秀演で「19世紀の古楽」の驚きと楽しみを再発見させてくれるだろう。第140回 横浜マチネーシリーズ3/20(木・祝)14:00 横浜みなとみらいホール第275回 土曜マチネーシリーズ 3/22(土)第275回 日曜マチネーシリーズ 3/23(日)各日14:00 東京オペラシティ コンサートホール問 読響チケットセンター0570-00-4390 https://yomikyo.or.jp鈴木優人(指揮) 読売日本交響楽団二人のカリスマの熱い競演が興奮を呼ぶ!明日を担う音楽家たち 新進芸術家海外研修制度の成果4人の若きソリストがコンチェルトで研鑽の実りを披露
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