eぶらあぼ 2025.2月号
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第90回 定期演奏会 3/15(土)15:00 三鷹市芸術文化センター 風のホール問 三鷹市スポーツと文化財団0422-47-5122 https://mitaka-sportsandculture.or.jp沼尻竜典フェデリコ・アゴスティーニ54祝・浜松国際コン優勝! 清新な感性で奏でるシューベルトの詩情取材・文:長井進之介文:林 昌英 三鷹市芸術文化センター 風のホールを拠点として、沼尻竜典を音楽監督に迎え、充実のアンサンブルを追求し続けてきたトウキョウ・ミタカ・フィルハーモニアが、今年創立30周年を迎える。記念となる第90回の定期演奏会、ヴィヴァルディとシューベルトの名曲で楽団の成果を示す。 ヴィヴァルディは「四季」。ソリストにかのイ・ムジチ合奏団の元コンサートマスター、フェデリコ・アゴスティーニを迎える。“イ・ムジチの四季”の多数の録音でも特別な人気を保つのが、アゴスティーニがソロを務めた盤。イタリアの ピアニストの鈴木愛美は、2023年に第47回ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ、第92回日本音楽コンクール第1位を受賞。そして24年11月には第12回浜松国際ピアノコンクールで日本人および女性初の第1位となり、大いに話題を集めている。いま一番ホットなピアニストといっても過言ではない彼女が、2月、横須賀芸術劇場の「フレッシュ・アーティスツ from ヨコスカ シリーズ」にオール・シューベルト・プログラムで出演する。そのなかには浜松でも演奏したピアノ・ソナタ第18番「幻想」も並ぶ。 「3、4年ほど前からシューベルトの音楽の世界に魅了されるようになりました。いま一番好きな作曲家ですね。『幻想』は一昨年から勉強をはじめたのですが、弾けば弾くほど和声の配置の完璧さや旋律の美しさ、そして人間の感情のもっとも深い部分を描き出したような短調の響きなど、様々な要素に惹きこまれていく感覚があります。第9番のソナタはリーリャ・ジルベルシュテインの演奏を聴いて大好きになった曲で、初披露となります。後期とはまた違った世界観があるので、それをどのように届けられるか、いま模索しているところです」 鈴木は今回の浜松国際において、聴奏法ならではの美音と名技はいまだ健在。歌心あふれる「四季」を堪能できる。 シューベルトは交響曲第8番「ザ・グレート」。指揮者とオーケストラの力量や充実度が問われる大作だが、それらがそろったときの感銘の大きさは比類がない。緻密な構築と雄大な歌を両立しつつ、大きな世界を築き上げるのは、オペラの名匠・沼尻の得意とするところ。節目にふさわしい壮大な「ザ・グレート」が、風のホールに鳴り響く。衆賞と室内楽賞も獲得。モーツァルトのピアノ四重奏曲第2番を演奏し、弦楽器群との洗練されたやりとり、多彩な音色で魅了した。 「室内楽は大学の授業で学びましたが、演奏機会は決して多くありませんでした。とくに今回のような大きな場となると初めてです。弦楽器のみなさまの演奏とお人柄が本当に素晴らしくて…たくさん助けていただきながら、本番では一番楽しく演奏することができました。今回は第2番を選曲しましたが、いつか第1番と第2番、両方を演奏会でやりたいねという話をしていたので、将来実現したいです!」 現在は東京音楽大学大学院の修士課程1年で学ぶ鈴木。今後についてはどのように考えているのだろうか。 「いまはシューベルトやベートーヴェンなど、ドイツ語圏の作曲家の作品に強い共感を覚えていることもあり、大学院を修了したらドイツで学びたいという想いがあります。ただ、もちろん独墺系ということにこだわってはいませんし、色々な国のレパートリーに取り組んでみたいです。また室内楽の機会も増やしていきたいですね」 才能と感性が成長し続けている鈴木による今回のリサイタルは、彼女の想いやピアニズムの“いま”を存分に感じることができるものとなるだろう。フレッシュ・アーティスツ from ヨコスカ シリーズ66鈴木愛美 ピアノ・リサイタル2/16(日)14:00 ヨコスカ・ベイサイド・ポケット(完売)問 横須賀芸術劇場 046-823-9999 https://www.yokosuka-arts.or.jp沼尻竜典(指揮) トウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア創立30周年の幕開けで魅せる「ザ・グレート」鈴木愛美(ピアノ)Interview

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