Vol.30 第52回マーチングバンド全国大会巨大アリーナに各校の個性が咲き乱れたマーチングの祭典マーチングバンド全国大会高等学校の部取材・文・写真:オザワ部長(吹奏楽作家)■小編成 トップバッターで登場の千葉敬愛高校マーチングバンド(千葉)はスパイの世界をモチーフにした「S.P.Y 〜Secret Party or Yokefellow〜」を披露。演奏もカラーガードもレベルが高く、一気に会場の雰囲気を盛り上げてくれた。【金賞】 東京の京華学園マーチングバンドのテーマは《Cathedrale Notre-Dam》。キレのある演奏と指の先まで意識が行き届いたカラーガードの演技でノートルダム大聖堂の火災と復活を描いた。【金賞】■中編成 印象に残ったのは、まず熊本の専修大学熊本玉名高校。昨年も感じたが、トランペットのソロを含めた演奏力の高さが圧巻で、《Happy Life!!》というテーマどおりに見ているだけでハッピーでポジティブな気分になれた。【金賞】 沖縄県立西原高校マーチングバンドは昨年小編成に移って編成別最優秀賞を受賞。今回は中編成に戻り、抜群の音圧で会場を呑み込んだ。カラーガードはたった3人だが、素晴らしい表現力。【金賞】 北海道の駒澤大学附属苫小牧高校吹奏楽局は《Reflection 〜煌々と輝く世界へ〜》と題し、反射や光をショーで表現。サウンドに迫力が感じられ、カンパニーフロントは盛り上がった。【銀賞】 茨城県立大洗高校マーチングバンドのテーマは東京農業大学第二高校吹奏楽部(群馬) 広い空間で行進したりパフォーマンスをしたりしながら演奏を繰り広げるマーチング。音楽に演技やスポーツの要素が取り入れられた独特なジャンルで、国内では全日本吹奏楽連盟・朝日新聞社主催の全日本マーチングコンテストと、日本マーチングバンド協会(通称・M協)主催のマーチングバンド全国大会が二大大会となっている。 昨年12月15日、マーチングバンド全国大会・高等学校の部がさいたまスーパーアリーナで華々しく開催された。 高等学校の部は人数によって小編成・中編成・大編成に分かれる。審査は「音楽と視覚の調和」「演奏の調和」「演技の調和」「カラーガードの技術と表現」など7項目を8人の審査員がジャッジし、金・銀・銅の評価と編成別の最優秀賞を決定する。また、編成にかかわらず、高等学校の部の全出場団体の中で1位にはグランプリ・文部科学大臣賞が授与されるのも特徴だ。 各校の華やかな衣装、工夫をこらしたプロップ(ついたて)や道具類、音圧の高い演奏やダイナミックな演技など、見どころが多い大会だ。40
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