eぶらあぼ 2025.2月号
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5月の見もの・聴きものどまらず、ボストン響と共にウィーンやプラハでもショスタコーヴィチの演奏会が予定されている。 以上2つのイベントを除いても、5月は、本文の掲載対象となったものだけで、「ハンブルク国際音楽祭」「ドレスデン音楽祭」「ルール・ピアノ・フェスティバル」「国際ヘンデル音楽祭」「ヴィースバーデン国際五月音楽祭」「シュヴェツィンゲン音楽祭」「プラハの春国際音楽祭」など多くの音楽祭が開かれる。ハンブルクやドレスデン、プラハの音楽祭は、どちらかというとオーケストラや室内楽中心の総合的音楽祭だが、ゲッティンゲンの「国際ヘンデル音楽祭」は完全にヘンデルにシフト。今年は、指揮者のジョルジュ・ペトルーが「ソロモン」や「タメルラーノ」を振るのが楽しみだ。ちなみに「プラハの春国際音楽祭」ではヴァイオリンのコパチンスカヤの公演が大注目。例によってシェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」では自ら語り、踊り、歌うに違いない。 音楽祭以外では、話題のワーグナー「リング・ツィクルス」が2つ。ドルトムント劇場のコンヴィチュニー演出のものと、バーゼル歌劇場のベネディクト・フォン・ペーターの演出になるもの。コンヴィチュニーは先頃の二期会「影のない女」の演出で、日本の観客に相当の怒りを起こさせてしまったようだが、ドルトムントの「リング」□□□□□□曽雌裕一 編は、現代の社会的課題をうまく反映させているとの好意的評価も現地ではあるようだ(ドイツのオペラ雑誌等による)。一方のバーゼルの方は、ベネディクト・フォン・ペーターの「光」を意識した色彩的な舞台感覚が話題を呼んでいる。 他には、ウィーン国立歌劇場の「ローエングリン」(ティーレマン指揮)と「タンホイザー」プレミエ、アン・デア・ウィーン劇場の2公演、ヘンゲルブロック指揮のグルック「トーリードのイフィジェニー」(ハンブルク国際音楽祭)、チン・ウンスクの新作オペラ(ハンブルク州立歌劇場・ナガノ指揮)、フランクフルト歌劇場の「パルジファル」、バイエルン州立歌劇場の細川俊夫「松風」、シュヴェツィンゲン音楽祭のスヴォボダ「アダムとイブ」、ジュネーヴ大劇場のペルゴレージ「スターバト・マーテル」、スカラ座の「ヴァイル三部作」、オペラ・コミークのグルック作品(サヴァール指揮)などがオペラの注目公演。ヤーコプス指揮フライブルク・バロック管のヘンデル「タメルラーノ」も面白い。オーケストラでは、ソヒエフ指揮シュターツカペレ・ドレスデンのツアー公演のほか、ケルンWDR響やケルンのフィルハーモニー他で行われる現代音楽の公演も要注目。 【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(HAM)=エルプフィルハーモニー(ハンブルク)、(BUD)=ベラ・バルトーク国立コンサート・ホール[ブダペスト芸術宮殿](ブダペスト)]◎5月2(19:30)、3(15:30)、4(11:00)、6(19:30)(KH)日 M.グラジニーテ=ティーラ指揮 R.シェルクシュニーテ:真夏の歌、チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番、シベリウス:レンミンカイネン組曲〜3曲 独/ユジャ・ワンp◎5月24(20:00)(HAM)、26(19:30)、27(19:30)(BUD)日 T.アデス指揮 ハイドン:交響曲第64番、T.アデス:ピアノ協奏曲、クルターグ:厳かな小音楽〜ピエール・ブーレーズの90歳の誕生日に、ブーレーズ:メサジェスキス、ヤナーチェク:タラス・ブーリバ 独/I.レヴィットp(→ 24日は「ハンブルク国際音楽祭」も参照)[会場:(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(DRS)=クルトゥアパラスト(ドレスデン)]◎5月3(19:30)(MV)、4(19:30)(MV)日L.シャニ指揮 J.アダムズ:アフラー・ザ・フォール、バーンスタイン:チチェスター詩篇、ウェス(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)ト・サイド・ストーリー〜シンフォニック・ダンス 独/V.オラフソンp◎5月7(19:30)(KH)、9(19:00)(KH)日C.エッシェンバッハ指揮(Fridays@7(9日))ドヴォルザーク:謝肉祭(序曲)(7日のみ)、ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲、ドヴォルザーク:交響曲第8番 独/A.メルニコフp◎5月14(19:30)(MV)、15(19:30)(MV)日A.アルティノグリュ指揮 ムソルグスキー:ホヴァンシチナ〜第1幕への前奏曲(ショスタコーヴィチ編曲)、ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第2番、ドビュッシー:海、ラヴェル:ラ・ヴァルス 独/I.ファウストvn5月24(19:30)(KH)、25(11:00)(KH)、28(19:30)(DRS)日 P.ポペルカ指揮 ベートーヴェン:献堂式〜序曲、コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲、ヨーゼフ・シュトラウス:ディナミーデン(ワルツ)、R.シュトラウス:ばらの騎士〜組曲 独/R.カプソンvn(→ 28日は「ドレスデン音楽祭」も参照)[ウィーン](主要公演のみ)◎5月2(19:30)、3(15:30)、4(11:00)、26(19:30)日 M.グラジニーテ=ティーラ(2/3/4日)/T.アデス(26日)指揮ウィーン・フィル → 〔ウィーン・フィル〕参照5月3(19:30)、4(19:30)、14(19:30)、15(19:30)日 L.シャニ(3/4日)/A.アルティノグリュ(14/15日)指揮ウィーン響 → 〔ウィーン響〕参照5月4(15:30)日 佐渡裕指揮トーンキュンストラー管 モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番、マーラー:交響曲第5番 独/反田恭平p◎5月8(19:30)日 A.ネルソンス指揮ボストン響 ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番、交響曲第11番「1905年」 独/B.スクリデvn◎5月9(19:30)日 A.ネルソンス指揮ボストアン・デア・ウィーン劇場★◎5月6(19:00)、8(19:00)、10(19:00)、12(19:00)、14(19:00)、17(19:00)日 F.ガスパリーニ:アンブレト[プレミエ] 指/E.チッテリオ、演出/I.ランツィーノ、演奏/ラ・リラ・ディ・オルフェオ◎5月13(19:00)日 G.ボノンチーニ:グリゼルダ(演奏会形式) 指/B.バイル、出/S.ルニエ、M.E.チェンチッチ、D.オレッラーナ、S.パチョルニク、演奏/ヴロツワフ・バロック管ウィーン・フィルウィーン響〔注〕今月は音楽祭関係を多数掲載したため、通常掲載の劇場やオーケストラをやむなく省略したものがあります。可能なものは次号で補足しますが、お手数ながらホームページ等でご確認下さい。ウィーン国立歌劇場◎5月1、4日 ワーグナー:ローエングリン 指/C.ティーレマン、演出/J.ヴィーラー、S.モラビト、出/G.グロイスベック、D.B.フィリップ、C.ニールンド、A.カンペ5月2、5日 モーツァルト:魔笛[25年1月プレミエ] 指/A.フィッシャー、演出/B.ホラコヴァ、出/F=J.ゼーリヒ、C.デュボワ5月6、10、13日 グノー:ロメオとジュリエット指/M.ルロワ=カラタユー、演出/J.フリム、出/A.ガリフッリーナ、B.ベルネーム5月9、12、14、17日 プッチーニ:トスカ 指/M.アルミリアート、演出/M.ヴァルマン、出/A.クルザク、R.アラーニャ5月16、20、23、26日 ベッリーニ:ノルマ[25年2月プレミエ] 指/A.フォリアーニ、演出/C.テステ5月18、21、24、27、30日 ヴェルディ:イル・トロヴァトーレ 指/M.アルミリアート、演出/D.アバド、出/K.ストヤノヴァ★◎5月22、25、29日 ワーグナー:タンホイザー[プレミエ] 指/P.ジョルダン、演出/L.シュタイアー、出/G.グロイスベック、C.ヒーリー、L.テジエ◎5月28日 ワーグナー:ラインの黄金 指/P.ジョルダン、演出/S=E.ベヒトルフ、出/I.パターソン、C.ウンターライナー、J.シュナイダー、D.ベーレ、M.ボヒネク5月31日 ビゼー:カルメン 指/M.アルミリアート、演出/C.ビエイトウィーン・フォルクスオーパー〔注〕公演内容はホームページでご確認下さい。 今月は5月の定例音楽祭に加え、マーラーやショスタコーヴィチの特別フェスティバルが行われるため、掲載候補となる月間の公演数が通常の3割増となり、やむなく掲載を取りやめたり、次号に回したものが複数ある。あしからずご了承いただくと同時に、未掲載分はホームページ等でどうか検索をお願いしたい。 さて、その特別フェスティバル。一つはアムステルダムで行われる「マーラー・フェスティバル」。本来、2020年に予定されていたイベントだがコロナのために中止となり、改めて2025年に開催されるもの。ただし、2020年にはウィーン・フィルがバレンボイムの指揮でラインナップされていたが、今回はウィーン・フィルの参加はなく、代わりにルイージ指揮のN響が2公演担当するのが話題となっている。また、コンセルトヘボウ管は前回はチョン・ミョンフン指揮の予定だったが、今回はマケラが2公演を担当。ちなみにN響は、今回の欧州ツアーで「ドレスデン音楽祭」や「プラハの春国際音楽祭」にも招かれている。もう一つの音楽祭はライプツィヒで開催される「ショスタコーヴィチ・フェスティバル」。2025年が没後50年となるショスタコーヴィチのメモリアル・イベント。こちらは、ネルソンスがライプツィヒ・ゲヴァントハウス管とボストン響を振り分けて、八面六臂の大活躍。ネルソンスはこのフェスティバルにとムジークフェライン[楽友協会]大ホール〔Ⅰ〕オーストリア1262025年5月の

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