CDSACDCDCDボロディン:弦楽四重奏曲第2番、同第1番マイスター・ミュージックMM-4537 ¥3520(税込)ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」川瀬賢太郎(指揮)名古屋フィルハーモニー交響楽団迫田美帆(ソプラノ) 福原寿美枝(メゾソプラノ) 清水徹太郎(テノール) 宮本益光(バリトン)愛知県合唱連盟収録:2023年12月、Niterra 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール(ライブ)オクタヴィア・レコードOVCL-00860 ¥3850(税込)ラヴェル:グロテスクなセレナード、古風なメヌエット、亡き王女のためのパヴァーヌ、水の戯れ、ソナチネ 嬰ヘ短調、組曲「鏡」、夜のガスパール、ハイドンの名によるメヌエット、高雅で感傷的なワルツ、前奏曲 イ短調、ボロディン風に、シャブリエ風に、組曲「クープランの墓」ユニバーサル ミュージックUCCG-45110/1(2枚組) ¥4070(税込)桑原ゆう:唄と陀羅尼、水の声、やがて 逢魔が時になろうとする、逢魔時の浪打際へ、三つの聲、はすのうてな、影も溜らず、柄と地 絵と余白 あるいは表と裏112ボロディン:弦楽四重奏曲第1番&第2番/モルゴーア・クァルテットベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」/川瀬賢太郎&名古屋フィルラヴェル:ソロ・ピアノ作品全集/チョ・ソンジン桑原ゆう:音の声、声の音/マルコ・フージ&本條秀慈郎&淡座1992年に結成された日本屈指の弦楽四重奏団が、2004年に録音した名アルバムのリマスター盤。何と言ってもボロディンの2つの弦楽四重奏曲を併せて楽しめる点が大きな魅力をなしている。演奏は実に豊潤で艶やか。広くお馴染みの第2番は特に艶があり、中でもチェロの藤森の安定した奏法と美音が、「ノットゥルノ」の名で知られる第3楽章をはじめ随所で効果を高めている。しかしさらなる妙味は、かなり珍しい第1番の意外に多様な音楽を丁寧かつパッショネイトな表現で味わえる点。絶妙に綾なすこの演奏を聴けば、第2番の理解もより深まるに違いない。(柴田克彦)川瀬賢太郎の名古屋フィル音楽監督就任後、初の年末「第九」ライブ。第1楽章のテンポは雄大な再現部含め、曲の指示以外一切緩めず、なのに窮屈さはなく呼吸感も十分。第2楽章のティンパニの気迫は強烈で、前半リピート時には変化も。第3楽章ももたれず流れつつ、音楽をゆったりと聴かせ、ニュアンス豊かな歌に満ちる。全曲に漲るリズミックで若々しい覇気と、細密かつ巧みな構築の両立ぶりは、すでに匠の域にあることを感じさせる。アマチュア合唱団に精巧さよりもエネルギーを解放させた判断もよく、市民が抱き合うというメッセージがダイレクトに伝わるかのよう。 (林 昌英)ショパン国際コンクールの優勝から早10年。昨年の来日リサイタルでは2025年に生誕150年を迎えるモーリス・ラヴェルの作品を取り上げ好評を博した。そんなチョ・ソンジンの新譜は、ラヴェルのソロ・ピアノ作品全集である。CD2枚組に、初期の「グロテスクなセレナード」から円熟期の組曲「クープランの墓」までを、ほぼ作品目録番号順に並べている。透明感のある音色と、精密なタッチのコントロールを聴かせ、抒情的でありながらもいたずらに感情過多とならない。組曲「鏡」の〈悲しい鳥たち〉などは妖艶なまでの緊張感を持たせる。ラヴェル作品集の一つの決定盤が生まれた。(飯田有抄)緻密に編まれながらもダイナミックに呼吸する室内楽曲を聴けば、桑原ゆうが第一級の作曲技術の持ち主であることは瞭然だ。特に淡座のメンバーとして長くコラボする本條秀慈郎の三味線は実に活き活きとしていて、楽器のポテンシャルが存分に発揮されている。しかしそれ以上にユニークなのは、創造を支える美学が日本古来の聲明や謡、さらには落語といった伝統芸能や日本語の音と深く結びついている点だ。これは独奏曲のほうによりピュアな形で表れている。日本を西洋とつなぐ試みは開国以来、様々に行われてきたが、桑原の創作はそれが新しい段階に入ったことを実感させてくれる。(江藤光紀)モルゴーア・クァルテット【荒井英治 戸澤哲夫(以上ヴァイオリン) 小野富士(ヴィオラ) 藤森亮一(チェロ)】チョ・ソンジン(ピアノ)マルコ・フージ(ヴァイオリン/ヴィオラ・ダモーレ)本條秀慈郎(三味線) 淡座(あわいざ、クリエイショングループ) 他KAIROS/東京エムプラス0022202 KAIS(2枚組) ¥オープン価格
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