ローター・ツァグロゼク ©読響©良知賀津也ローター・ツァグロゼク(指揮) 読売日本交響楽団ドイツの伝統を汲む名匠と待望の再共演高崎芸術劇場 大友直人 Presents T-Mastersシリーズ vol.9荘村清志 ギター・リサイタル最上の音響で感じるレジェンドの至芸54文:山田治生文:片桐卓也 ローター・ツァグロゼクが6年振りに読売日本交響楽団に客演する。2016年3月の初共演で、ベートーヴェンやブラームスの交響曲を演奏し成功を収め、19年2月にブルックナーの交響曲第7番で再共演。その後、22年1月にブルックナーの交響曲第5番を披露する予定であったがコロナ禍により入国できず、23年8月には同じく交響曲第8番を指揮する予定が自身の急病によりキャンセルとなった(上岡敏之が代役を務めた)こともあり、25年2月の共演が本当に待ち遠しい。 1942年、ドイツのバイエルン州で生まれたツァグロゼクは、レーゲンスブルク大聖堂の聖歌隊で歌い、55年にはザルツブルク音楽祭の《魔笛》で3人の童子の一人を務めた。ウィーン放送響、ライプツィヒ歌劇場、シュトゥットガルト歌劇場、ベルリン・コンツェルトハウス管などのシェフを歴任。ドイツを代表する巨匠の一人であり、独墺音楽では 高崎芸術劇場芸術監督の大友直人が贈る「T-Mastersシリーズ」の第9回目となるコンサートに日本を代表するギタリスト・荘村清志が出演する。このシリーズは前回が徳永二男だったが、すでに多くのファンが知る日本の音楽界を牽引してきた「マスター」たちを迎えてリサイタルを開く豪華な企画である。 荘村は巨匠イエペスに認められてスペインへ渡り、まずヨーロッパ各地で演奏活動を始めた。そして日本に帰国後は演奏活動だけでなく、作曲家・武満徹と協力して、彼の様々なギター曲の初演も行うなど、音楽界全体に大きな影響を与えてきた。近年ではHakuju Hall(東京)でのギター・フェスタの中心的存在として活躍しながら、アコーディオン奏者cobaとのコラボレーションをはじめとした多彩な活動や意欲的な録音も行っている。 今回、荘村が取り上げるのはバロッ極めて高い評価を得ている。 今回取り上げるモーツァルトは彼の十八番のレパートリーである。交響曲第41番「ジュピター」は、2006年のN響定期公演でも指揮し、快速の第4楽章で披露した対位法が際立った激しい表現が印象に残っている。あれから円熟味を増したツァグロゼクが読響とどんな「ジュピター」を繰り広げるのか非常に楽しみだ。また、シューマンの「マンフレッド」序曲と交響曲第4番では、まさにドイツ音楽の真髄を聴かせてくれるに違いない。ク時代から20世紀までの幅広い時代の興味深い作品群だ。スカルラッティに始まり、ソル、J.S.バッハ、ヴィラ=ロボス、ラヴェルなど。20世紀のスペインで活躍した作曲家&ピアニストであるピポーの「歌と舞曲」などはかなり珍しい作品となる。いつでも音楽に真剣に向き合い、その真価を伝えようとする荘村の姿勢は多くのギタリストの目標でもある。2024年にデビュー55周年、そして喜寿を迎えた荘村の若々しい演奏を聴くことができる貴重な機会を逃さず、ギターのレジェンドの姿に触れてほしい。2/16(日)14:00 高崎芸術劇場 音楽ホール問 高崎芸術劇場チケットセンター027-321-3900https://www.takasaki-foundation.or.jp/theatre/第274回 土曜マチネーシリーズ 2/1(土)第274回 日曜マチネーシリーズ 2/2(日)各日14:00 東京オペラシティ コンサートホール問 読響チケットセンター0570-00-4390 https://yomikyo.or.jp
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