レナード・スラットキン ©Niko Rodamel三浦謙司 ©Harald Hoffmann金川真弓 ©Victor Marinアレクサンダー・ガジェヴ ©Andrej Grilcレナード・スラットキン(指揮) 東京都交響楽団豪華演目と期待の初コラボで巨匠の80歳を祝うアレクサンダー・ガジェヴ & 三浦謙司 ピアノデュオ・リサイタル初共演の舞台で際立つ実力者ふたりのピアニズム43文:柴田克彦文:高坂はる香 1月の都響公演にレナード・スラットキンが登場する。80歳を迎えたアメリカ出身のスラットキンは、飛躍的に向上させて脚光を浴びたセントルイス響をはじめ、ワシントン・ナショナル響、リヨン管、デトロイト響等のシェフとして辣腕を振るってきた現代屈指の巨匠。N響への客演でもお馴染みだが、都響とは初共演となる。造形確かで引き締まった音楽を創造する名指揮者だけに、高密度の機能美を有する都響とのコラボへの期待は大きい。 プログラム最初は、現代アメリカを代表する作曲家の一人シンディ・マクティーが、9・11への思いをこめた「弦楽のためのアダージョ」。曲の背景に加えて、作曲者はスラットキンの夫人ゆえに、入魂の名演必至だ。メインは、憂愁のスラヴ情緒と甘美なロマンティシズムに溢れたラフマニノフの交響曲第2番。スラットキンは交響曲全集を二度完成させるなどこの作曲家を大の十八 2021年ショパン・コンクール第2位のアレクサンダー・ガジェヴと、19年ロン=ティボー国際音楽コンクール優勝の三浦謙司。15年の浜松国際ピアノコンクール中に出会い、ベルリンで共に学んだ仲良しの二人によるピアノ・デュオという楽しみな企画が、都内でピアノを聴くには最適な会場の一つである紀尾井ホールで行われる。 テーマは「East meets West」―東洋と西洋の出会いと融合。連弾によるシューマン「東洋の絵」、リムスキー=コルサコフ「シェエラザード」、また2台ピアノによるチャイコフスキー「くるみ割り人形」とストラヴィンスキー「火の鳥」という華やかなプログラムだ。全く枠にとらわれない自由な感性を持つ者同士で弾くと一体どうなるのか、期待が膨らむ。どちらもその場で生み出される音楽を大切にするピアニストなので、おそらく本人たちもその時にならないとどうなるのかわからないのではないだろうか。番としている。ここは、端正かつ自然体の美しさに満ちたスタイリッシュな音楽を堪能できるに違いない。 間を繋ぐのは、名手ハイフェッツの委嘱で書かれたウォルトンのヴァイオリン協奏曲。クールな美しさと超絶技巧が満載された名作だが、日本での生演奏は貴重なうえに、今回は金川真弓の独奏が期待値を引き上げる。彼女は、2019年チャイコフスキー国際コンクール入賞後、内外で活躍。特に日本の大半の楽団と共演し、この上ない信頼を得ている。欧米 イタリアで生まれ育ち、父からロシア系のピアノ教育を受けたガジェヴ。日本に生まれドバイで育ち、イギリスとドイツでピアノ教育を受けた三浦。演奏には「東洋と西洋」というテーマにそれぞれが抱く想いも投影されることだろう。3/19(水)19:00 紀尾井ホール問 紀尾井ホールウェブチケット webticket@kioi-hall.or.jp https://kioihall.jp他公演 3/22(土) 兵庫県立芸術文化センター(0798-68-0255)仕込みのワールドワイドな感性の持ち主で、作品も彼女の個性にピッタリ。ここは曲の真価を体感できる稀有の機会となる。かように本公演は前後半共に大注目だ。 二人が浜松で知り合ったときの様子は、気の合う友達を見つけて嬉しくて仕方ない少年同士という雰囲気だった。あれから10年近く経つが、おそらく変わらぬテンションで“ピアノで遊ぶ”様子を見せてくれることだろう。第1014回 定期演奏会Bシリーズ 1/14(火)19:00都響スペシャル(平日昼) 1/15(水)14:00サントリーホール問 都響ガイド0570-056-057 https://www.tmso.or.jp
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