©編集部《椿姫》公演より ©Daiki Gotoります。メロディメーカーとしてのドヴォルザークはもちろんのこと、楽譜には書ききれないこの作曲者独特のリズムの扱いなどもあるので、そういったところを読み取りながら、ドヴォルザークの音楽のすばらしさを改めてお客様にお届けしたいです。『交響讃歌〈やまがた〉』は合唱も含む壮大な作品で、今回は抜粋で演奏いたします。日本語で歌われる感動的な曲ですので、ぜひ多くの方にお聴きいただきたいですね」 2月には世界的指揮者である準・メルクルも初登場するなど、話題が尽きない山形交響楽団。進化し続けるオーケストラの演奏で輝きを増す名曲の魅力を、存分に堪能してほしい。 「ドラマ性、スピード感がある作品ですよね。サスペンスもの、ヒッチコックの映画作品のような印象もあります。登場人物それぞれのキャラクターの掘り下げや対話とともに音楽が大きく変化していきますから、これまでよりも一層、演奏、表現ともに難しい作品だと思います。プッチーニ作品はテンポの“ゆれ”がありますが、そのバランスや聴かせ方には工夫が必要です。だからこそ、これからのオーケストラの成長のためにも取り組むべきだと考えました」 ソリストには森谷真理をはじめ、いまをときめく歌手たちがそろう。 「トスカの森谷さん、カヴァラドッシの宮里直樹さんは前回の《椿姫》に引き続いてのご出演です。あえて同じ方にお願いすることで、お二人のこれまでに無い新たな一面もお客様にお届けしたいという想いを込めています。そしてスカルピアは黒田博さんにお願いしました。ベテラン中のベテランであり、何を演じてもすばらしいですが、彼の悪役の巧さはぜひ若い世代の方に学んでほしいところですね」 1月には米沢での「ユアタウンコンサート」が予定されており、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」と佐藤敏直の「交響讃歌『やまがた』」(抜粋)が演奏される。 「『新世界より』は山響では初めて指揮します。ドヴォルザークがアメリカから祖国のチェコを望んで書いた作品で、様々な思いが込められています。とくに当時、チェコはオーストリア帝国に支配されていましたから、それに対する複雑な思いもありますよね。また、ドヴォルザークは鉄道好きで知られていますが、よく波止場で佇み、船を見ながら自分自身を、アメリカから故郷へ思いを馳せるアフリカ人と重ね合わせていた、と言われています。私自身も外国生活が長かったので、共感できるところが大いにあ37Informationユアタウンコンサート 米沢公演1/13(月・祝)15:00 伝国の杜 置賜文化ホール出演/阪 哲朗(指揮)、おきたま有志合唱団曲目/佐藤敏直:交響讃歌「やまがた」(抜粋) ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調「新世界より」op.95やまぎん県民ホールシリーズVol.4 演奏会形式オペラシリーズIII プッチーニ:歌劇《トスカ》2/2(日)15:00 やまぎん県民ホール出演/阪 哲朗(指揮)、森谷真理(トスカ)、 宮里直樹(カヴァラドッシ)、黒田 博(スカルピア) 他第322回 定期演奏会2/22(土)19:00、2/23(日・祝)15:00 山形テルサホール12/23(月)発売出演/準・メルクル(指揮)曲目/メンデルスゾーン:交響曲第5番 ニ長調「宗教改革」op.107 レスピーギ:組曲「鳥」 ストラヴィンスキー:バレエ音楽 「火の鳥」 組曲(1919年版)□ 山響チケットサービス023-616-6607https://www.yamakyo.or.jp
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