eぶらあぼ 2024.12月号
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橘■■■和美優(ヴァイオリン) & 岩井亜咲(ピアノ) デュオリサイタル絆が生み出す華麗な響き 若き才能が光る共演 2023年ロン=ティボー国際音楽コンクールで第5位を受賞し話題を呼んだヴァイオリニストの橘和美優、21年ショパン国際ピアノコンクール本大会に出場し注目を集めたピアニストの岩井亜咲。国際的にも期待を寄せられる若き奏者二人の共演が実現する。会場となるのは埼玉のコピスみよし。これまでに三芳町出身の岩井が様々な公演を行ってきた場所であり、美しい響きと親密な空間が多くの演奏家から愛されているホールだ。 現在、東京音楽大学大学院で学ぶ橘和と東京藝術大学大学院在学中の岩12/21(土)14:30 コピスみよし(三芳町文化会館)問 コピスみよし049-259-3211 https://www.miyoshi-culture.jp2025.1/19(日)14:00 王子ホール問 プロアルテムジケ03-3943-6677https://www.proarte.jp12/14(土)14:00 狛江エコルマホール問 プロムジカ使節団事務局090-3230-1685https://www.promsinc.com53井は藝高時代の同級生で、信頼関係も厚い。モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ第18番で美しい音色による対話を、ヴィエニャフスキの「ファウストの主題による華麗なる幻想曲」では華麗な技巧と情熱的な演奏を聴かせてくれることだろう。当日は岩井のピアノソロもあり、“十八番”ともいえるショパンの楽曲を披露する。才能あふれる若き奏者の共演を素晴らしい響きに包まれながら堪能してほしい。史家:中嶋克彦、イエス:加耒徹)。各人の妙技に加え、今回の聴きどころは通奏低音パートの充実ぶりだ。チェロ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、ヴィオローネ(8フィート)、コントラバス、リュート、バロック・ファゴット、コントラファゴットの計7人で厚みのある響きと表現力豊かな音楽を追求する。古さを感じさせないフレッシュな演奏を目指し、それ自体が新しい創造活動であることを訴えていきたいという圓谷。彼らの新たな挑戦にぜひ注目したい。橘和美優 ©Ayane Shindo圓谷俊貴中嶋克彦©Roland Hagenberg文:長井進之介文:飯田有抄文:近松博郎岩井亜咲加耒 徹大川由美子 ピアノリサイタル アンダルシアに魅せられてスペシャリストが誘う豊穣たるスペイン音楽の旅路 あふれる才能と音楽愛に突き動かさ そんな大川が、「アンダルシアにれ、ごく若い時期にヨーロッパへと飛び魅せられて」と題するリサイタルを出して行く音楽家は少なくない。ピア開く。ファリャの「アンダルシア幻想ニストの大川由美子もその一人。高曲」や、グラナドスの「スペイン舞曲校卒業後にドイツに渡り、ミュンヘン集」、アルベニスの「スペイン組曲」国立音大へ進学、カール・ゼーマンやからの抜粋など、民族色豊かな作品パウル・バドゥラ=スコダの教えを受け群を披露する。さらに、スペインのた。さらにスペインのピアニスト、ベ現代作曲家イルミナーダ・ペレス=ゴーニャ・ウリアルテにも師事。ドイツ、フルトスがコンクール課題曲用に書スペインものをレパートリーの中心いた難曲「ハバルクス庭園の黄昏」に据え、国際的なステージで活躍、ダ日本初演も含めた、意欲的なプログンサーや詩人とのコラボレーションもラムである。エネルギッシュで楽し行っている。いコンサートになりそうだ。プロムジカ使節団 All Bach Cantatas Vol.2初演300年記念 J.S.バッハ:ヨハネ受難曲盤石の布陣でアニバーサリー迎える大作に臨む 日本の新しい古楽演奏団体の活躍ぶりが目覚ましい。2020年に創設され、今年8月にはJ.S.バッハのカンタータ全曲演奏シリーズをスタートさせたプロムジカ使節団もその一つだ。東京藝術大学声楽科を経て同大学器楽科でチェンバロを専攻した才人・圓谷俊貴のもと、国内外で活躍する古楽のプロフェッショナルたちが集結する。 シリーズ第2回目は、バッハがトーマス・カントルとして初めて迎えた聖金曜日に用意した名作、「ヨハネ受難曲」の初演300年を記念して同作に挑む(福音

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