eぶらあぼ 2024.12月号
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CDアルバムリリース記念大瀧拓哉 ピアノ・リサイタル2025.2/15(土)14:00 ベヒシュタイン・セントラム東京問 東京コンサーツ03-3200-9755https://www.tokyo-concerts.co.jp12/15(日)14:00 東京オペラシティ リサイタルホール問 キーノート0422-44-1165 https://www.ensemble-nomad.com50Interview大瀧拓哉(ピアノ/チェンバロ)新進の名手が現代音楽の傑作を新たな次元へ 「高橋悠治さんが弾いたジェフスキの『不屈の民』変奏曲のCDを大学生の頃に聴いて、まさに雷が落ちるような衝撃を受けたんです!」 この出会いをきっかけに現代音楽を深く学ぼうとドイツのシュトゥットガルト音楽演劇大学大学院に留学した大瀧拓哉。リゲティ等を得意とする名手トーマス・ヘルに師事した。 「ヘル先生からはリゲティだけでなく、シェーンベルクやウェーベルンといった現代音楽における古典を習いました。その後、アンサンブル・モデルン・アカデミーやパリ国立高等音楽院でも学んだのですが、そのなかで感じるようになったのは、現代音楽って自由そうにみえるけれど実際は伝統への意識がとても強いということです」 その意識は練習の段階から表れていると語る。 「それこそヘル先生自身がものすごく緻密に組み立てていかれる方で、リゲティのように超絶技巧が必要な楽曲であっても、バッハのように声部ごとに取り出して練習されていたことに衝撃を受けました。良い意味で特別扱いすることなく現代音楽も誠実に向かい合えば良いんだという学びは、今も自分の指針になっています」 留学中の目標を達成した大瀧は帰国。長年憧れだった「不屈の民」変奏された。再演はこちらも編成を縮小したアンサンブル版で、ハープは篠崎史子が担当。 さらにcoba自身が登場、ノマドのメンバーを相手に自作でアコーディオンを披露、「ゴヤの夢想」ではノマドの音楽監督である佐藤紀雄がギターで共演する。 多様性をテーマに企画された「語り合う広場」というタイトル通りに、大ベテランたちが曲替わりで次々と登場、ジャンルを超えた対話が繰り広げられることになりそうだ。曲だけではすでに多くの録音があるため、同じジェフスキを代表する作品の「ノース・アメリカン・バラード」を、比較的よく知られた第1~4番だけでなく、演奏・録音機会の少ない第5番、第6番まで収録するというアイディアを思いつく。チェンバロで録音された第6番もインパクト大だが、筆舌に尽くしがたい聴覚体験をさせてくれるのが第5番「終身刑の男はやり切れない」だ。 「アメリカ南部の黒人の囚人による作業歌をもとにした第5番は人間の愚かさと残酷さ、こんな酷い歴史があったことを突きつける、内臓を抉ってくるような音楽です。受刑者の足に繋がれた鎖の音を取り入れるなどしているので、解説を読んでいただくと理解がより深まると思います」 権力者からの圧政に抗う「不屈の民」変奏曲も、歴代の名盤を上回るような決定盤と呼ぶに相応しい仕上がり。 「演奏時間の長い作品なのでなるべく表現の幅をもたせたいし、作品に含まれる色んな要素をもっと際立たせる演CD『フレデリック・ジェフスキ「不屈の民」変奏曲/ノース・アメリカン・バラード〈全6曲〉』コジマ録音ALM-141,142(2枚組)¥4180(税込)奏が出来るんじゃないかと考えたんです。これがジェフスキのスタイルだと固めるのではなく、多様なスタイルを共存させて際立たせようとしました」 その結果、スタイルが細かに入れ替わる終盤の面白みがグッと引き立ち、そのあとに控える最後の即興演奏でも敢えて超絶技巧とは異なる表現をとることで引き込まれてしまう……。若手ピアニストを熱心に追いかけるファン層にも広く聴かれてほしい、圧倒的な名演の誕生だ。左より:coba/高橋アキ/荘村清志 ©Yuri Manabe取材・文:小室敬幸文:江藤光紀©matron2024アンサンブル・ノマド 第83回定期演奏会 ダイバーシティ・多様性 vol.3 語り合う広場年の瀬は豪華ゲストを迎えて賑やかに 12月のアンサンブル・ノマド定期は魅力いっぱいのプログラム。まずはシューベルトをライフワークにしてきた高橋アキが登場してピアノ五重奏「鱒」に初挑戦。原曲の弦楽セクションはピアニスト・作曲家として活躍する田中翔一朗が編曲した、フルートやクラリネットが加わるノマド・ヴァージョンだ。 続いてアコーディオン奏者として著名なcobaのギター協奏曲「東京」。ギターの大家・荘村清志が「未来に繰り返し演奏される曲を」と頼み込んでできたメロディアスな曲で、2020年に初演

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