eぶらあぼ 2024.12月号
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33の演奏には満足しています。(宇都宮名物の)餃子はお昼ごはんで食べて美味しかったです」 静岡県の浜松聖星高校吹奏楽部の自由曲は高昌帥作曲《吹奏楽のためのヴェリタス》。熱い情念を感じさせながらも、最後は感動的な静寂で閉じられる好演だった(銀賞)。 前半の部では伊奈学のほか、精華女子(福岡)、千葉県立幕張総合、大阪桐蔭、岡山学芸館、八王子学園八王子(東京)、春日部共栄(埼玉)が金賞に輝いた。 後半の部には、昨年まで10大会連続で金賞を受賞している熊本県の玉名女子高校吹奏楽部が登場。まさしく群を抜く統一感と美しいサウンドで樽屋雅徳《カタリナの神秘の結婚 2023年版》を奏で、驚異の11大会連続金賞を成し遂げた。 東京の東海大学付属高輪台高校吹奏楽部の自由曲は福島弘和に委嘱した《シンフォニエッタ第6番「息吹の花」》。高輪台は7大会連続で新曲の福島作品となった。きらびやかで重厚な高輪サウンドは年々クオリティが上がっており、今年は文句のつけようがない完璧な演奏だった(金賞)。 部長の藤川七美さん(ホルン)、コンサートマスターの小島芽生さん(クラリネット)と髙山瑠南さん(オーボエ)はこうコメントしてくれた。「望む結果が得られました。コンクールで学んだことを演奏でも人としても活かしていきたいです」「たくさんの人にもらった思いを音楽に乗せて皆さんに届けることができて最高に嬉しいです!」「みんなでやってきたことがすべて演奏に出たと思います。いろんな人に支えてもらった結果がこれ(金賞)でよかったと思います」 大阪の東海大学付属大阪仰星高校吹奏楽部は、全国大会で初となるフィリップ・スパーク作曲《神話とモンスター 〜コンサートバンドのためのアウトレイジ〜》を演奏。神話の中の荒々しさを感じさせる序盤から明るく華々しい後半まで、実にドラマティックな熱演だった(銀賞)。2年生で新部長の寺内杏那さん(ファゴット)はこう語る。「私は全国大会に出るのが初めてで最初は緊張していましたが、ステージに出るとたくさんのお客さんの前で演奏できることにワクワクしました。自由曲の最後でテンポが速くなるところは、顧問の藤本(佳宏)先生の指揮をみんなが感じ、ひとつになって演奏できました」 全国大会は全団体のレベルが非常に高く、優劣をつけるのは難しい。審査結果の金・銀・銅の違いに高校生たちは喜び、あるいは悔しがるが、最高の舞台で「ひとつになれた」経験は何ものにも代えがたい宝物となって心に残ることだろう。♪♪♪拡大版はぶらあぼONLINEで!→左ページ左上:伊奈学園総合高校、右上:愛知工業大学名電高校 ©フォトライフ、左下:坂出高校 ©フォトライフ、右下:浜松聖星高校 ©フォトライフ右ページ左上:玉名女子高校 ©フォトライフ、右上:東海大学付属高輪台高校、左下:東海大学付属大阪仰星高校 ©フォトライフ、右下:宇都宮市文化会館

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