2025.2/23(日)14:00 サントリーホール■ サンライズプロモーション東京0570-00-33373/16(日)14:00 大阪/ザ・シンフォニーホール■ ABCチケットインフォメーション06-6453-6000https://avex.jp/fumiaki-miura/22 ヴァイオリンの三浦文彰とピアノの清水和音が今年2月にスタートさせたベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会(全3回)が、2025年2月23日のサントリーホール、および、3月16日のザ・シンフォニーホールでのコンサートで完結する。 1993年生まれの三浦は、2009年のハノーファー国際ヴァイオリンコンクールにおいて史上最年少の16歳で優勝し、国際的に注目され、数々の世界的なオーケストラと共演。そして、この10月には31歳の若さで宮崎国際音楽祭の音楽監督(これまで徳永二男が務めてきた)に就任するなど、まさに新しい世代を代表するアーティストとなった。一方、清水は、1981年のロン=ティボー国際コンクールに優勝。ヴィルトゥオーゾ・ピアニストとして国際的に活躍するだけでなく、室内楽奏者(とりわけ弦楽器との二重奏において)としてもその音楽性が高く評価されている。デビュー40周年を超え、今や日本の音楽界の重鎮といえるだろう。 そんな二人の出会いは、単なる共演というよりも、世代を超えたアーティストの真摯なぶつかり合いであり、コラボレーションであった。そして三浦と清水は、今年2月にベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第1・2・4・5番を、7月に第3・6・7番を披露。また、それに先駆けて、彼らはベートーヴェン全集の録音に取り組んだ(23年6月、8月、24年1月)。そのCD4枚組の全集はこの10月にリリースされたばかりである。そこでは、過去の偉大なアーティストたちの名盤に勝るとも劣らない素晴らしい演奏が繰り広げられている。 全曲演奏会シリーズの第3弾となる来年2月(東文:山田治生京)と3月(大阪)のコンサートでは、最後の3つのヴァイオリン・ソナタである第8・9・10番が演奏される。既にリリースされたCDでそれらの作品を聴くと、まず、第9番「クロイツェル」での、二人の年齢差無縁の対等な演奏に惹きこまれる。まさに真剣勝負。また、録音を聴いて印象に残るのは、三浦の奏でる1732年製グァルネリ・デル・ジェスの美しさ。清水のピアノの音色も冴えている。ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタのなかで一作だけ、創作年代が離れている熟達の第10番での三浦と清水の親密なコラボレーションも魅力的である。彼らの音楽的な会話が楽しい。ライブでは、CD以上に熱い演奏が繰り広げられるに違いないし、優れた音響のホールで彼らの生の美音を楽しみたい。 三浦文彰と清水和音という二人の日本を代表するアーティストのベートーヴェンの「ヴァイオリンとピアノのための二重奏」への取り組みの総決算というべき、最後の3つのソナタ。特に圧倒的な傑作である第9番「クロイツェル・ソナタ」を含むだけに、このデュオで聴くことのできるチャンスは逃せない。CD『ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集』エイベックス・クラシックスAVCL-84162〜5(4枚組) ¥9900(税込)左:清水和音 右:三浦文彰 ©Yuji Hori年齢差を超えた二人の真剣勝負が感動を呼び起こす清水和音 × 三浦文彰 ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会 III
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