eぶらあぼ 2024.12月号
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3月の見もの・聴きもの■■■■■■〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場◎3月3、6、9、12、15日 ベッリーニ:ノルマ[25年2月プレミエ] 指/M.マリオッティ/A.フォリアーニ(15日)、演出/C.テステ、出/J.D.フローレス、I.ダルカンジェロ3月5、8、11、14日 マスネ:ウェルテル 指/B.ド・ビリー、演出/A.セルバン、出/M.ポレンツァーニ、C.ウンターライナー◎3月13、16、20、23日 ヴェルディ:ドン・カルロ[24年9月プレミエ] 指/P.ジョルダン、演出/K.セレブレンニコフ、出/R.タリアヴィーニ、J.ゲッレーロ3月17、19、21日 ドニゼッティ:愛の妙薬 指/F.I.チャンパ、演出/O.シェンク、出/N.シエラ、X.アンドゥアガ★◎3月24、27、31日 チャイコフスキー:イオランタ[プレミエ] 指/T.ソヒエフ、演出/E.ティトフ、出/I.スタンチェフ、B.ピンハソヴィチ、D.ポポフ、S.ヨンチェヴァ3月26日 T.コニエチュニーBs-Br◎3月28日 モーツァルト:ドン・ジョヴァンニ 指/P.ジョルダン、演出/B.コスキー、出/E.デュピュイ、L.オルダー、E.ロチャ◎3月29日 モーツァルト:フィガロの結婚 指/P.ジョルダン、演出/B.コスキー、出/L.ネイヴァ、H=E.ミュラー◎3月30日 モーツァルト:コジ・ファン・トゥッテ指/P.ジョルダン、演出/B.コスキー、出/L.オルダー、E.ダンジェロウィーン・フォルクスオーパー3月1(19:00)、14(19:00)、18(19:00)、21(19:00)、26(19:00)、29(19:00)日 J.ハーマン:ラ・カージュ・オ・フォール(ミュージカル)演出/M.キング3月2(11:00)日 J.アロウアス:ボタン戦争[24年11月プレミエ] 演出/J.アロウアス3月2(19:00)、6(19:00)日 J.シュトラウスⅡ:こうもり 演出/R.ヘルツル 先月号で部分的にご紹介した、独OPERNWELT誌の年間最優秀賞(2022/23シーズン)の補足から。主な受賞が、歌劇場:フランクフルト歌劇場、女声歌手:アスミク・グリゴリアン、演出家:リディア・シュタイアーであることはお知らせした通り。その他の主な受賞は、男声歌手:ジョン・オズボーン、指揮者:パブロ・エラス=カサド、オーケストラ:バイエルン州立管、作品:シェーンベルク「モーゼとアロン」(ボン歌劇場)、チャイコフスキー「スペードの女王」(リヨン歌劇場)、ヴァインベルク「パサジェルカ(旅の女)」(バイエルン州立歌劇場)、ワーグナー「タンホイザー」(フランクフルト歌劇場)、マルティヌー「ギリシャ受難劇」(ザルツブルク音楽祭)、などとなっている。なんで受賞作品がこんなに多いのかというと、今年の審査員43名(ドイツ語圏を中心とした音楽評論家・ジャーナリスト等)の票が結構バラバラで、何と3票取れば同率1位になってしまうからだ。最優秀劇場のフランクフルト歌劇場にしても、結果としてわずかに計7票取ったに過ぎない。これで「最優秀」と呼ぶのはどうなのか…と毎年首をかしげるところだが、まあそんな賞と思っていただきたい。 ところで、その「フランクフルト歌劇場」は3年連続の受賞となったが、受賞理由は「勇気ある演目選択・特筆すべき演出・高い演奏水準などとなっている。それを踏まえて3月の公演内容を見てみると、確1183月4(19:30)日 Ein bisschen trallalala(F.マサリーとM.パレンベルクへのオマージュ)演出/M.グレートラー3月7(19:00)、11(19:00)(貸切公演)、22(19:00)(貸切公演)日 オッフェンバック:地獄のオルフェ(天国と地獄) 演出/スパイモンキー、A.バサウリ、T.パーク★◎3月8(19:00)、12(19:00)、19(19:00)、27(19:00)日 カールマン:チャールダーシュの女王[プレミエ] 指/T.ヴェゲラー、演出/J.エラート3月9(18:00)日 J.ラーソン:チック、チック...ブーン!(ミュージカル) 演出/F.ブール3月10(19:00)日 プッチーニ:つばめ 演出/L.デ・ベア3月13(19:00)、15(19:00)、23(18:00)、28(19:00)日 ニコライ:ウィンザーの陽気な女房たち 演出/N.スペイケルスアン・デア・ウィーン劇場〔注〕2022年以来の改修工事が終了し、2024/25シーズンは本来の劇場で公演が行われています。◎3月1(19:00)、4(19:00)、7(19:00)日 ベッリーニ:ノルマ 指/F.ランツィロッタ、演出/V.バルハトフ、出/A.グリゴリアン、A.アクメチーナ、演奏/ウィーン響◎3月3(19:00)日 M.ロック:プシュケ(演奏会形式) 指/S.ドセ、演奏/アンサンブル・コレスポンダンス★◎3月26(19:00)、28(19:00)、31(19:00)日 プロコフィエフ:修道院での婚約[プレミエ] 指/D.マトヴィエンコ、演出/D.ミキエレット、出/E.アキモフ、P.ソコロフ、S.アレオーメ、演奏/ウィーン放送響ウィーン・フィル[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)]〔注〕3月中のアメリカ公演は省略します。かに凄まじい内容だ。上演されるのは、マニャール「ゲルクール」、アダン「ロンジュモーの馭者」、ヤナーチェク「死者の家から」、ディッタースドルフ「医師と薬剤師」、チャイコフスキー「チャロデイカ(魔女)」、ライマン「インビシブル-目に見えぬもの」の6作品。こんな希少オペラばかりでよく採算がとれるものと呆れるが、この攻撃的な姿勢こそ同劇場の生命線でもあるのだろう。 希少オペラといえば、3月はウィーン国立歌劇場で上演されるチャイコフスキー「イオランタ」も、ソヒエフが指揮を担当するだけに大注目。同じロシアものでは、アン・デア・ウィーン劇場のプロコフィエフ「修道院での婚約」(ミキエレット演出)、ジュネーヴ大劇場のムソルグスキー「ホヴァンシチナ」(ビエイト演出)も注目。ヤナーチェクでは、ベルリン州立歌劇場の「ブロウチェク氏の旅」(ラトル指揮)、バイエルン州立歌劇場の「カーチャ・カバノヴァ」(グラジニーテ=ティーラ指揮)が注目プレミエ。現代ものでは、ベルリン・コーミッシェ・オーパーのグラス「アクナーテン」、ドレスデンのサーリアホ「イノセンス」、チューリヒ歌劇場のフラー「大火災」、パリ・オペラ座のデュサパン「旅、ダンテ」(ナガノ指揮)、オランダ国立オペラのヴェナブルス作品、メトロポリタン歌劇場のヘギー「モビー=ディック」など多士済々。古楽系では、チューリヒ歌劇場のヘンデル「アグリッピーナ」、ミラノ・スカラ座のガスマン「オペラ・セリア」、ローマ歌劇場のヘンデル「アルチーナ」、フェニーチェ歌劇場のスカルラッティ「名誉の勝利」、オペラ・コミークのラモー「サムソン」など。 冒頭の独OPERNWELT誌で最優秀女声歌手を受賞したアスミク・グリゴリアンは、アン・デア・ウィーン劇場のベッリーニ「ノルマ」(ノルマ役)とバイエルン州立歌劇場のワーグナー「さまよえるオランダ人」(ゼンタ役)に登場する。後者は二期会の「影のない女」の演出で猛烈な賛否の議論を巻き起こしたコンヴィチュニーの長年続く演出。ついでながら、本文に掲載はできなかったがコンヴィチュニーはリンツ州立歌劇場で3月29日からヤナーチェク「利口な女狐の物語」の新演出を出す。他には、ウィーン・フォルクスオーパーのカールマン「チャールダーシュの女王」は絶対面白いだろうし、ネトピル指揮のケルン歌劇場のモーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」、エッセン歌劇場のワーグナー「パルジファル」なども要注目。 オーケストラ関係では、ティーレマン指揮のシュターツカペレ・ベルリン、話題のHIMARIがいよいよ登場するメータ指揮のベルリン・フィル、コンセルトヘボウ管の企画公演「アムステルダム750年」などが大変興味をそそる。(曽雌裕一・そしひろかず) (コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演◎3月15(15:30)、16(11:00)、17(19:30)、18(19:30)、19(19:30)(KH)日 Y.ネゼ=セガン指揮 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番、R.シュトラウス:英雄の生涯 独/Y.ブロンフマンp◎3月29(15:30)、30(11:00)日 F.ウェルザー=メスト指揮 J.シュトラウス2025・ウィーン/オペレッタ=パスティッチョ 独/C.カルクS、P.ベチャワTウィーン響[会場:(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)](主要公演のみ/アン・デア・ウィーン劇場でのオペラ公演は同劇場を参照)3月1(19:30)(MV)、2(19:30)(MV)日 E.オリカイネン指揮 ブラームス:運命の女神の歌、運命の歌、アルト・ラプソディ、シベリウス:交響曲第5番 独/N.ベイナルトA3月6(19:30)(KH)、9(11:00)(KH)日 M.ジャコ指揮 ワーグナー:タンホイザー〜序曲、リスト:ピアノ協奏曲第2番、ワーグナー:トリスタンとイゾルデ〜前奏曲と愛の死、A.オルメス:狂えるオルランド 独/V.ホロデンコp、司会/B.レット(9日のみ)◎3月12(19:30)(MV)、13(19:30)(MV)日A.フィッシャー指揮 フォーレ:ペレアスとメリザンド(組曲)、ワーグナー:ヴェーゼンドンク歌曲集(F.モトル編曲)、ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」 独/C.ニールンドS3月21(19:00)(KH)日 P.ポペルカ指揮(フライデーズ@7) モーツァルト:イドメネオ〜組曲(ブゾーニ編曲)、レチタティーヴォ「わが美しき恋人よ、さようなら」〜アリア「とどまって下さい、いとしい人よ」、交響曲第38番「プラハ」 独/パク・ヘラ・イェサンS3月23(11:00)(KH)日 P.ポペルカ指揮 モーツァルト:レチタティーヴォ「わが美しき恋人よ、さようなら」〜アリア「とどまって下さい、いとしい人よ」、交響曲第38番「プラハ」、マーラー:交響曲第4番 独/パク・ヘラ・イェサンS、司会/B.レット曽雌裕一 編2025年3月の

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