eぶらあぼ 2024.11月号
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 今年の3年生は、2022年に他校から異動してきた顧問の寄島昭生先生と同じタイミングで桜ブラスに入部した、いわば「同期」だ。 今年の部長で打楽器担当の「コシココ」こと越野心姫(ここみ)もそれを強く意識していた。「コンクールの自由曲がラヴェルの『ダフニスとクロエ』第2組曲より(ダフクロ)だと寄島先生から聞いたときは、難しい曲なので戸惑った部員もいましたが、先生が『1年生のときから一緒にやってきたこのメンバーならできる』と言ってくれてすごく嬉しかったです」 吹奏楽コンクールは課題曲と自由曲を合計12分以内に演奏する。桜ブラスは「ダフクロ」と課題曲に伊藤宏武作曲「フロンティア・スピリット」を選んだ。実際に取り組んでみると、意外に課題曲に苦戦したが、「ダフクロ」はかなり良い演奏ができるようになった。桜ブラスの持つ上質なサウンドが、ラヴェルの音楽と美しく融合した。 石川県大会は7月28日に行われた。会場の金沢歌劇座は学校からそう遠くない。部員たちは路線バスに乗って会場入りした。42左より:山本亜依莉さん、部長の越野心姫さん、寄島昭生先生小原菜月さん、和田眞美さん♪♪♪取材・文・写真:オザワ部長(吹奏楽作家)♪♪♪桜はまた咲く!県大会で散った桜ブラスの輝き 桜、散る――。その衝撃的なニュースは日本中の吹奏楽関係者やファンを驚かせた。 2022年、2023年と全日本吹奏楽コンクールに連続出場していた石川県金沢市の県立金沢桜丘高校吹奏楽部、通称「桜ブラス」。だが、今年の県大会で5枠の県代表に選ばれず、北陸大会まで駒を進めることもできなかった。2001年から続けてきた北陸大会出場の連続記録も途切れた。 だが、本当に桜は散ってしまったのだろうか?Vol.27 石川県立金沢桜丘高等学校 吹奏楽部

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