eぶらあぼ 2024.11月号
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反田恭平 ピアノ・リサイタル202410/23(水)19:00 東京エレクトロンホール宮城(仙台放送022-268-2174)10/24(木)18:00 山形/シェルターなんようホール(南陽市文化会館)(さくらんぼテレビ0120-150-616)10/31(木)19:00 ふくしん夢の音楽堂(福島市音楽堂)(仙台放送022-268-2174)11/1(金)15:00 軽井沢大賀ホール(完売) 11/2(土)15:00 横浜みなとみらいホール(045-682-2000)11/5(火)19:00 サントリーホール(完売)  12/3(火)19:00 札幌コンサートホール Kitara(完売)12/5(木)19:30 台湾・國家音樂廳(鵬博藝術股份有限公司 (02)-2941-2155)12/10(火)18:45 愛知県芸術劇場 コンサートホール(東海テレビ放送052-954-1107)12/13(金)19:00 あきた芸術劇場ミルハス(秋田朝日放送018-888-1505)12/16(月)18:30 大阪/フェスティバルホール(完売)12/17(火)19:00 高知県立県民文化ホール オレンジホール(さんさんテレビ088-880-0033)https://kyoheisorita.com34――今回のピアノ・リサイタルの曲目は、指揮者の視点から選曲されたそうですね。 30歳になりましたので、これからの10年を見すえて、どういうアーティストになっていこうかと考えたときに、ムソルグスキーの「展覧会の絵」が最初に頭に浮かびました。これはいずれ、指揮者としてラヴェル編曲のオーケストラ版を振ってみたい作品なんです。いま自分はジャパン・ナショナル・オーケストラ(JNO)というオーケストラを持っていて、大きな編成のロシアものを振りたい気持はやまやまなんですが、もうちょっと先でもいいかなとも思って、先にピアノ・ソロの原曲を勉強しようと考えました。 この曲が決まったところで、せっかくならラヴェルを合わせようと考えました。「夜のガスパール」では、特に第2曲の〈絞首台〉、グロテスクで、鐘のような音が絶えず流れていて、あの独特の不気味な和声感。この恐ろしさがすごく好きなんです。 そしてショパンも1曲と思って、「幻想ポロネーズ」を選びました。ピアノ・ソロなのに、人の声を想わせるなど、レクイエムのような要素があるんです。内容が濃くて技術的にもすごく難しい、総合芸術的でショパンの中でも最高峰の曲ですが、自分はまだ人前で演奏したことがないんです。奥さん(小林愛実さん)はショパン・コンクールでも弾いて十八番にしているので、困ったら教えてくれるだろうという思いはあります(笑)。 3曲ともタイトルがついていて、だんだんと規模感が大きくなる構成になっています。すごく濃くて重取材・文:山崎浩太郎©Yuji Uenoい、大人のプログラムで、30歳の誕生日を迎えて初めてのリサイタルに、ふさわしい演目だと思います。――指揮者としても活動されていますが、和声感や楽器の色彩感など、ピアノを弾くときにも影響している部分はありますか。 もともとピアノで培った和声感にはとても自信がありますが、60人、70人で一つのものを作り上げるには、視野を広げなければできないこともあります。JNOに加えて、海外のプロオーケストラ(ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団)を指揮する機会もいただいて、指揮でもピアノでもスコアを読むことにすごくポジティブになっています。相乗効果ですね。このタイミングで、ソロのリサイタルという原点に戻るのはとても楽しみなことで、わくわくしています。 いま僕はコンチェルトをひく回数が圧倒的に多くて6割ぐらい、指揮が2割5分ぐらいなんです。ソロは1割ちょっとくらい。ですから今回のリサイタルは結構レアな機会になると思います。――ありがとうございます。ではおしまいに、お客様へのメッセージをお願いします。 一本の映画を見ているような、物語を見ているようなリサイタルになればと思っています。なぜこういうふうにプログラムを作ったか、聴き終わった後で納得してもらえると思いますので、楽しみにしていただければ嬉しいです。Interview 指揮とピアノの相乗効果で、新境地を切り拓くKyohei Sorita/ピアノ反田恭平

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