eぶらあぼ 2024.10月号
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第551回日経ミューズサロン ライナー・キュッヒル ヴァイオリン・リサイタルクロイツェル、円熟の極みへ 長年にわたりウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターを務め、わが国にもファンが多いライナー・キュッヒル。10月15日に開催される第551回日経ミューズサロンで、オール・ベートーヴェン・プログラムによるリサイタルを開催する。 「『クロイツェル・ソナタ』は、ほかのソナタとは異なる性格をもち、ピアニストとの間でコンチェルトを演奏するようなスリルに満ちた対話が展開します」と話すキュッヒル。大胆さと繊細さを併せもつこの曲は、高度な演奏技術55Interview荒 絵理子(オーボエ)「ここでしか聴けないアンサンブル」を体験してほしい 東京交響楽団の首席奏者を務める日本屈指のオーボエ奏者、荒絵理子。彼女は、10月に紀尾井ホールで開催される「ローム ミュージック フェスティバル2024 in TOKYO」に出演する。これは、奨学生や小澤征爾音楽塾の経験者などロームが支援した音楽家「ローム ミュージック フレンズ」が一堂に会するコンサート。著名楽団の奏者やソリストをはじめとする豪華な顔ぶれが、ショパンのピアノ協奏曲第1番(弦楽合奏版、指揮:齊藤一郎、独奏:小林海都)など3曲を披露する。 荒ももちろんロームの支援で飛躍した演奏家だ。 「2013年度に1年間、奨学生としてハンブルクに留学し、東響入団前の2002年から6年間、小澤征爾音楽塾の塾生を経験しました。ドイツでは生活面を含めたすべてが勉強になったので行って良かったと思いますし、音楽塾ではたくさんの先生にご指導いただいてオーケストラで吹く基礎を学びました。なかでも音楽塾は『ここでの指導があったから今オーケストラで演奏できる』と言えるほど。特に小澤先生から度々言われた『失敗してもいいからとにかくやりなさい』との言葉が印象に残っています」 ロームのフェスティバルへの出演は、19年の京都公演以来2回目だが、「東京と鋭い感性が要求されることから、「時の流れとともに成熟していく演奏者の技量や感性を映し出す作品」でもあるという。ソナタ第8番・第10番についても、「偉大な作品であることに変わりはなく、みなさんの前で演奏できることは、大きな喜びです」と語る。 ピアノの加藤洋之は、長年にわたり信頼を寄せる共演者のひとり。ベートーヴェンの真髄に迫るふたりの演奏に期待は高まるばかりだ。での演奏は初」とのこと。今回は前半の2曲、管楽器のみによるR.シュトラウス「13の吹奏楽器のためのセレナード」と、弦楽も入ったストラヴィンスキーの「プルチネッラ組曲」に出演する。 「同世代の演奏家や音楽塾などでご一緒した方も多く、こうした素晴らしいメンバーと演奏できるのは光栄ですし、演目も頻繁に演奏する曲ではないので、今回は貴重な機会になります。また、管楽器だけの音と弦楽器が混ざった音はかなり違うので、皆さんには2つの音色感を楽しんでいただけると思います」 共に演奏経験のある作品だ。 「R.シュトラウスは一番好きな作曲家。幅広い表現ができる作品が多く、自分のオーボエの音色にも合っているのではないかと思っています。今回の曲は柔らかいサウンドが魅力。中間部ではオーボエがフィーチャーされていますので、そこも聴きどころですね。ただ各楽器に見せ場が用意されていますし、発音体が異なる管楽器の音が上手く合った時のサウンドには独特の魅力がありますので、それを楽しんでいたローム ミュージック フェスティバル2024 in TOKYO 10/5(土)16:00 紀尾井ホール問 1002(イチマルマルニ)03-3264-0244https://www.rmf.or.jp/jp/activity/rmfes/2024_inTOKYO/左:ライナー・キュッヒル ©Winnie Kuechl 右:加藤洋之だければと。また『プルチネッラ』は、オケのオーディションに不可欠なほどオーボエが活躍する作品。奏者にとって大変な曲ですが、オーボエは音がよく通る上に、感情が音に反映しやすい楽器ですので、数々のソロが注目点にもなります」 管のみ、弦+管、ピアノ+弦と異なる色合いを楽しめる本公演。「ここでしか聴けないアンサンブル」をぜひ堪能したい。取材・文:柴田克彦文:白柳龍一10/15(火)18:30 日経ホール問 日経公演事務局03-5227-4227https://art.nikkei.com

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